Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

ノーテーションソフトあれこれ―Finale25にアップデートした話

久しぶりに音楽関係の話。

僕は趣味と勉強と仕事の色々で楽譜入力ソフト、いわゆるノーテーションソフトを使います。楽譜の手書きというのはそれだけでもなかなか専門技術のいる作業で、しかも僕のような音感のない人間がスコアを手書きするなんてのはなかなか大変です。

吹奏楽コンクールの課題曲公募にたくさんの人が応募するようになったのも、こういうソフトあってこそでしょうね。とりあえず音を埋めたら音が鳴ってくれますから、作曲という行為のハードルを大きく下げてくれたのは間違いありません。

あらゆることがコンピュータ上で完結するようになってきたこのご時世、楽譜入力ソフトにも様々なソフトが登場してきました。

僕自身は、昔KAWAIのスコアメーカーなんかも使いましたが、今はもっぱらFinaleです。今回は、自分の備忘録的な意味も込めてちょっと様々なソフトをまとめてみましょう。

 

MakeMusicのFinaleはもうこのテのソフトではデファクトスタンダードとして君臨する存在。

www.finalemusic.jp

世の中に出回っている楽譜のほとんどはFinaleで作られていると言っても過言ではないです。それほど普及しているソフトなのに、結構、うーんな部分も多いです。

まず管理会社が変わったりしたことによる問題。今はFinaleMusic(実質はMI7Japan)という会社が日本の代理店をやっているのですが、その前はe-frontierという会社がやっていました。おかげでバージョンアップした時のライセンス認証がややこしかったりしました。今も、バージョンアップしたライセンスは、手作業で権限を書き換えているそうで、購入すぐはレジストレーションが完了できません。なんだか、この時代に非合理的だなあ、と思ってしまいます。

他にも、いわゆるレガシー・コード問題というか、古くからバージョンアップを重ねているソフトなので、昔々に作られた機能との兼ね合いだとかなんとかに問題があるのだそうな。

専門的なことはよくわかりませんが、これはDAWでもそうで、古くからあるDAWよりも新しくイチからプログラミングされたものの方が圧倒的に軽いソフトになるのは間違いないみたい。古いファイルとの互換性の問題もあって、根本から作りなおすのは無理なんでしょうね。

使いこなすのには慣れが必要で、特に、プレイバック回りの使いにくさったらない。と僕は思っている。あとカバーページ編集モードとかも欲しいなあ。

 

AvidのSibeliusはFinaleに次いで有名なソフトですが、僕は一度も使ったことがありません。ちなみに、使っている方にも会ったことがありません(笑)。

www.avid.com

話によると特殊な記譜なんかの使い勝手はFinaleよりも断然いいとか。ProToolsを作っている会社が作っているのだから悪いソフトではないのでしょうが、、なんか縁がないんですよねえ。

 

KAWAIのスコアメーカーはつい最近もバージョンアップして、かなりUIも機能もブラッシュアップされてきているようですね。

cmusic.kawai.jp

下記リンクは国内DTM界で知らぬものなし、藤本健さんのblogの紹介記事です。

www.dtmstation.com

 

現在、楽譜の読み替え用に使うからとFinaleの空いているライセンスを妻に貸していたりします。しかし、やはりFinaleはとっつきにくいらしく、こちらのスコアメーカーを試用してみたところ、結構使いやすいと言っていました。妻用にこちらの導入も考検討してもいいのかなあ。クロスグレードもあるし。pdfデータをスキャンして楽譜に読み込んでくれる機能が便利ですが、やはり読み込み精度はそこそこ。とくにオケの楽譜は記譜も色々言語も色々でかなりの部分を修正しなければなりません。しかしイチから打ち込むことを考えたら多少速いかな、、、といったところ。綺麗な印刷楽譜でコンピュータ浄書のものなら読み込み精度も高いのでしょうし、藤本さんのブログで紹介されているように、音源のない曲を読み込んで、、という使い方はできるかも。

 

最近話題の、Steinbergが満を持して世に送り出したDoricoなんかも気にはなります。

What is Dorico :  | https://japan.steinberg.net/

様々な紹介を見る限り、後発の強味を全面に出したソフトですね。

www.dtmstation.com

また、日本ではシェアNo.1ともいわれるDAWCubaseを作っている会社ですからCubaseとの連携もスムーズでしょう。2005年からヤマハが親会社になっているので、日本語への対応も間違いないはず。パッと見た感じの楽譜のレイアウトがとてもきれいなので、細かい設定をしないでも音符のスペーシングや組段のマージン設定がうまくいくなら使いたい。しかしDAWSONARを使っているので、いちいちSteinberg Keyを買ったりなんだりも面倒だし、他の人と楽譜データをやりとりするときにマイノリティのソフトを使っているとこれまた面倒。結局は縁がなかった、ということで終わるのでしょう(笑)。

 

その他、値段が安くDAWとの親和性を強調しているPre SonusのNotionなんてのもあります。(公式サイトは音楽が流れますので注意)

www.mi7.co.jp

こちらは動作が軽そうなのと、タブレット用にも最適化されたアプリケーションを開発しているのが強みなんでしょうね。

www.dtmstation.com

こないだのブラック・フライデイやサイバー・マンデイでやたら安売りしていたので改めてチェックしてみましたが、使いやすさはともかくやはり「浄書」ソフトとしての機能の部分が見えてこないのでうーんです。やはり縁(ry

 

閑話休題

 

とまあ色々書いたものの、僕としてはやはりFinaleに慣れてしまっています。これからもとりあえずはFinaleを使っていくことでしょう。

というわけで、この度約3年ぶり(2014.2.25ぶり)のバージョンアップを発表したFinaleを、バージョン25にバージョンアップすることにいたしました。

今回のバージョンアップの目玉は、なんといっても移調楽器の実音入力でしょう。

(画像は公式サイトFinale | フィナーレ - 世界標準の楽譜作成ソフトウェア | 新機能より)

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これによって、Finale長年の「移調楽器の入力時プレイバックが実際の音と違っている」問題が解決しました。僕はスコアを書くとき実音で移調譜を読んでいます。例えばinFで「ファ」を書くときは「ファ=B♭」と思って書くわけです。ところが今までのバージョンでは、midiキーボードの「ファ」を押さねばならず、しかも入力時プレイバックでは実音「F」がなってしまう。今回のバージョンで上の画像のチェックをオンにすると、inF「ファ」を入力するときは、midiキーボードの「シ♭」を押すことになり、プレイバックも正しい音程で鳴ります。

完全に移動読みしてしまえば今までの入力方法でもよかったのですが、プレイバック音が違う問題は非常に気持ち悪かったので改善されて嬉しいです。

でも、はっきり言ってこれは他のソフトではありえないようなショボイ問題で、むしろ今までなぜそのままにしていたの?というくらいのFinaleのダメポイントでした。改善されて当たり前とも言えます。

 

64bit対応、というのも当たり前の進化ですね。vstプラグインはもうすっかり64bitが主流になっていますから、このままではvstインストゥルメントが使えなくなっていきますしね。

その他、ReWire対応でDAWとの親和性を押し出したのは時代の流れに即していて好感です。これは今度試してみよう。

 

しかし、そのほかははっきり言ってこれだけのバージョンアップ費用をかけるほどの物なのか?という感じは否めない。とくにプレイバック回りはイケてない。2014からの仕様変更で、以前のファイルはそのままでは正しく再生できません。この辺はコンバータとか用意できなかったのかなあ?一応プレイバックサウンドの再割り当てなんていう機能もありますが、そのままだと再生のバランスはおかしなことになります。相変わらずmidi関係の設定の使い勝手は悪いし、さきほど作曲中のファイルを正しく再生できるようにあれこれするので30分くらいとられました。

 

まあ、文句言いながらもきっちりお布施収めて最新版使っているのですが。はやく新バージョンに慣れたいものです。

ああ、.musxがなんのエラーもなく開けて、入力するだけでばっちりスペーシングやレイアウトも自動で決めてくれて、ダイナミクスや発想記号も美しく並んでくれて、パート名を設定するだけで自動で音源も設定してくれて、パート譜譜めくりまで考慮して作成してくれるようなソフトないかなぁ(無理)

 

 

Finale version25実用全ガイド 〜楽譜作成のヒントとテクニック・初心者から上級者まで

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