Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

映画ツアー。

映画を一気に三本見ました。

パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズ・チェスト〜
ゲド戦記
日本沈没

です。


リビアンは、三部作の中篇ということで、要素は沢山でてくるのに全て未消化というあまりすっきりしない出来でした。アクションの見せ場は沢山あるのですが、場つなぎ的印象を拭えません。
三本目を見ないことには判断しようがない、といったところでしょうか。


ゲドは僕の中ではとっても面白かったです。
世間では酷評されているようですが…この映画をダメだという方はきっとハリーポッターが大好きなんでしょうね。

吾郎殿は今のオヤジさんとはかなり作り方が異なります。
父・宮崎監督の映画は、かならずどこかに心をほっとさせてくれるシーンがあり、そして、悪役にもプライドやポリシーがあり憎めない奴である、というのが定番でした。
その構図はラピュタあたりから築かれ始め、もののけ姫あたりではすでに完成していたように思います。

つまり、かなり昔の…映画版ナウシカくらいの駿監督に近いものがあります。しかし、やはりナウシカでも、クシャナやクロトワなどは必ずしも憎めないキャラなのに対して、今回のゲド戦記は違います。

ハイタカ(ゲド)とテナー以外まともな奴誰一人いやしない!!

そういった事もあり、背景が美しい油絵タッチな事もあり、雰囲気は薄暗い感じです。台詞も容赦なく「森羅万象」だのといった言葉がでてきますし、ギャグも皆無、アクションも地味ですので、お子様方にはまっったくオススメしません。

ですが、駿監督がこの映画を観たときにいった「素直なつくりでよかった。安心した」という言葉のとおり、かなりテーマははっきり打ち出しています。ここも駿監督とは違う点ですね。彼はテーマを明確にキャラクターに喋らせることはしない人ですから。っていうかオヤジさんは作りたいモン作ってるだけですから(笑)。

そんなこともあり、また、漫画版ナウシカのオマージュ(解りやすい物では冒頭の方でアレンが言う「お前達が僕の死か」。漫画版でクシャナが「お前が私の死か」という場面、覚えてます?)がちりばめられていたりといった要素もあり、とにかく僕にとっては楽しめる映画でした。

漫画版ナウシカが好きな方は多分好き。
ただし、駿を期待せず、吾郎を見てやってください。


日本沈没

良かった。なにが良かったって、かなり沈没が進行していく中で、人と人が生きるために必死で歩き、助け合い…自分達の住む国が壊れていく衝撃的なシーンとの兼ね合いで、リアリティと訴える力を多分に持っていました。
ストーリー自体はまあアルマゲドンみたいなんもんです。って言っても沈没の方がオリジナルは古いんですがネ。
ですが、ハリウッドと日本映画は一味もふた味も違います。

難民描写が細かい!!
もう、途中なんて草薙レポーターによるドキュメンタリーを見せられている気分。
とにかく、自分達の知っている景色であること、また僕自身がリアルに阪神大震災をモロ体験していることもあって、かなり心が揺さぶられました。

まあ何箇所か突っ込みどころはあれど(庵野さんがメカデザインをしていて、対策本部のモニタがやたらネルフ風だったり、石坂浩二が小泉風ヘアスタイルで首相役やってたりとか(笑))かなりリアリティのある描写にこだわったようです。

昔から僕はパニック系の中の庶民的描写に弱いんです。
タイタニックで最もジーンときた場所は老夫婦が手を繋いで沈んでいくシーンと最後まで演奏を続けたストリングスカルテットのシーンという奴ですから。
そういう僕は、もう涙腺刺激されっぱなしの映画でした。

邦画独特のテンポの遅さ(逆に僕としてはハリウッドがテンポ速すぎるんですが)が気にならなければ佳作として見れると思います。


日本映画が頑張ってますね。いい傾向です◎