Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

CDレビュー〜近・現代音楽のススメ2〜

Yx1amzo3 第二回は邦人作曲家、別宮貞雄のシンフォニーです。
指揮:湯浅卓雄 演奏:アイルランド国立交響楽団 
レーベル:NAXOS

NAXOSというCDレーベル、ご存知でしょうか。900円程度で、演奏は良質だったり良質じゃなかったりする、メジャーどころから激烈マイナー曲までを体系的に録音しているレーベルです。
マイナー・オケとマイナー指揮者によって始められたんですが、いまやNAXOSの知名度はすごく高いので、マイナー・オケからNAXOSのオケという認識に変わったオケがたくさんあったり…?
なかには悪くないオケもあるので、福引的スリルのあるレーベルと言えます(笑)ハズレは結構ヒドイものもアリ

その中に日本作曲家選輯といって。日本の作曲家を世界に問う、という好企画があります。別宮の他にも大栗、矢代、松平、黛、その他もいくつか発売されています。安価に邦人作曲家の作品が聞けるので重宝しています。伊福部のタプカーラの演奏はアレでしたが…
いずれも時代としては十分現代音楽に分類される作品ですが、なかなか面白い曲がたくさんあります。

その中でも、この別宮の交響曲第1番、第2番は珠玉の名曲と言えるでしょう。なんとこれが世界初録音となるらしのですが、なんとももったいない話です。

いわゆるゲンダイ的な響きでは全然なく、新古典、と呼んで差し支えないかと思います。
旋法的情緒に満ち溢れた旋律や軽快な(ややショスタコ風)マーチなど、非常に聞きやすい曲想です。楽器法もとても色彩的で退屈させません。
フランスで学んだ別宮ですが、ベートーヴェンを尊敬していたらしく、そういった古典的構成感もたしかに曲に感じられます。

演奏の方はまずまずです。縦の線のばらつきはかなりありますが、作品の本質的なところはきちんと表現されていると思いました。湯浅の手腕でしょうか?

この作曲家のシンフォニーは5曲あり、一応この録音で全て録音されたことになるそうなので、他の3曲も聴いてみたいものです。

自国の作曲家を知るためにも、聴いて損はない曲だと思います。