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Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

CDレビュー〜Tuba編2そして近・現代音楽のススメ6〜

Pntci_bu 指揮:アンドレ・プレヴィン
演奏:ロンドン交響楽団
テューバ:ジョン・フレッチャ

レイフ・ヴォーン=ウィリアムス
交響曲第五番 ニ調
エリザベス女王の王国」より三つの肖像
バス・テューバ管弦楽のための協奏曲 へ短調


この世で最初に書かれたチューバ協奏曲と推定される曲、それが、このレイフのコンチェルトです。
リズミカルな曲想やイギリス民謡的な甘いメロディー(二楽章の美しさは絶品)など、チューバに興味のない方でも聞きやすい良い曲です。
そして、その最高の名演と誉れ高いのがこのCDです。

この演奏は20年前のものですから、もちろん新たに何人もの奏者がディスクに入れています。ピアノ伴奏でなくちゃんとオケ伴で演奏しているCDのなかでも、ミヒャエル・リンドやハンス・ニッケルなどの演奏も高い評価を受けているようです(残念ながら僕はどちらも金銭的理由から未聴)。

しかし、やはりいろんな方が言います。「ヴォーン=ウィリアムスのファーストチョイスなら断然フレッチャーや」と。

それだけの評価を受けるのだから、絶対良い演奏に違いない、というわけです。すぐに買いに走りました。
しかしタワレコですら売ってませんし、通販でもなかなか見つかりません。今は絶版なのかな?少なくともそこらのCD屋では手に入らないでしょう(笑)。
僕はアマゾンのマーケットプレイスで購入しました。

初めて聞いた感想は、「これ、そんなに上手いんかいな?」
というものでした。
音色はEs管らしいやや重たい甘い音。技術的には…まあプロレベルではまあまあかな…。うーん、もっと上手い人おるやろ?
とか、そういう風に思っていたのでした。

その後、チューバ吹きのスタンダード中のスタンダードですので、まあ譜面くらい持っていても差し支えないだろうということで楽譜を購入。見た感じ音域は高めだがまあ音は出せるだろうと判断し、しばしさらってみる。

…むっずっ!!
いやぁ、身の丈知らずでした(笑)。ちょー難しいかったです。まぁB管でさらうのも無謀でしたが。

そんな折、大体曲の流れは譜面を見たことによって頭に入った後、久しぶりにこのCDをかけてみました。

「あれ、この演奏こんな上手かったっけ」

そうなのです、やけに上手いのです。いや、自分自身ごときと比べてじゃないですよ?そんな低次元の問題じゃなく、なんか物凄くいい演奏なんです。
いままでこのCDのどこを聴いていたんだろう。
何故この「音楽」を聞き逃していたんだろう。
そういう感慨に浸りました。

若いころはついつい音楽よりも技術を聞きたがる、という話を聞いたことがあります。自分の専攻の楽器なら特にです。
僕は今まで音楽を聴いていたのだろうか?と考え込んだものです。
いや、今でも本当に音楽を聴けているか怪しいものですが、少なくとも昔よりは聞けるようになったと思います。

それ以来、このフレッチャー盤は特別な意味を持つディスクになったのでした。きっと、同じような経験をした方々が他にもいるのでしょう。だから、いつまでたっても推薦盤はこのCDから揺るがないのでしょうね。

せっかくなので他の曲も、と思いましたが…あまりにも長ったらしいので簡潔に。
交響曲第五番は、五音音階を用いた非常に聞きやすい曲で、インパクトには欠けますが何度も聴いているとだんだんハマって来ます。僕だけかもしれませんが(笑)。
彼の交響曲は9曲あり、特に第二番(ロンドン交響曲)が有名です。全集も最近は安価なものがリリースされていますので、買ってみるのもいいかなーと思っています。

エリザベス女王の王国」は映画音楽よりの抜粋。ファンファーレちっくな曲想など、映画音楽らしい演奏効果の高い作品になっています。

いずれも20世紀の作品としてはトップクラスに親しみやすい曲です。あまり知名度は高くないものの、イギリス国内では比較的人気があるようです。
僕の師匠曰く、「日本における黛敏郎くらいの知名度」らしいですよ。ああ、なんか、わかりやすいよいうなわかりにくいような(笑)。
まあ、もし機会がありましたらロンドンシンフォニー、聴いてみてください、と締めてみる。