Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

果実

軽い気管支炎と声帯に出来た小さな血瘤のため声が出ません。beardです。

さて、先日に引き続いてのベルリンネタ。

巷で話題の、佐渡氏がベルリンフィルを指揮した、という演奏会ですが、早くもCD化され、先週火曜(6/28)に発売と相成りました。
私も早速入手しまして、こないだの土曜日にCDプレーヤに乗せました。
いつものごとく、つまみ聞きして、iPodにほりこんで通勤中に…とか考えていたのですが。

ショスタコの5番、がっつり、50分通して聴いてしまいました(笑)

いや、これはマジですごい演奏です。
途中、オケが上手すぎて人間が演奏していると思えない箇所もあるくらい(笑)

MVPはフルートの貴公子パユ様と、バストロのチョイ悪親父、シュテファン・シュルツでしょうか。
フルートソロの多い曲ですが、とにかくその一つ一つがとても魅力的。うっとりさせてくれます。
まあやっぱり若干コンチェルト的ではあるのですが、それもまあいいかと思えるクオリティ。
バストロのほうは、もう、なんていうか、いかつい。
凶悪、的確、限界ギリギリの凄まじさでオケを支配せんばかりの存在感。ライヴならではのスリリングさに一役買っています。

音楽づくりとしては、全体的に「押し」の演奏。
一楽章なんかは、もう少し緩む箇所があってもいいのかなー、と思わないでもないんですが、緊張感の持続は見事です。逆に二楽章はわりときっちりした演奏。突っ込んでしまわないで少しタメをいれるなど、コントロールされたテンポ感がうかがえます。
三楽章は、ベルリンの弦セクをフルに生かした泣きの音楽に仕立てています。今まで、僕の中でこの楽章はショスタコらしい冷たいアダージョだと思っていたのですが、この演奏はいたってハートフル。こういうアプローチもいいですね。
そして、まあショス5って言ったら、金管の人間はどうしても四楽章が気になるわけなんですが、もうこれに関しては何も言うことはありません。
他の追随を許さないとはまさにこのこと。凄まじいです。

武満のほうはまだちゃんと聴けていないのですが、ショス5だけで3000円の価値あるCDなので、皆様も是非。

閑話。

個人的なことなのですが、実は僕が音大に行きたいと思ったきっかけは、佐渡×シエナなんですよね。
その辺は5年くらい前の日記に書いた気がするんですが、まあなんせ、震災復興10周年のイベントで佐渡裕指揮で母校とシエナが合同をするというえらいこっちゃな企画があり、翌日のアンコンで地区落ちし、上手くなりたい!と思ったわけです。

独特の飾らないキャラクター、見栄えのする指揮、そういったものに魅了され、当時高校生だった僕は、かなり熱心なサドラーでした。
あ、もちろんブラスの祭典1、2はサイン入りです(笑)
音楽を専門に勉強するようになってから、やたらアイドルめいた事務所のプロモーションの方向が気に食わなくてちょっと離れていましたが、やはり憧れの対象であることは間違いなく。この度、ベルリンフィル史上二人目の日本人指揮者に彼が選ばれたことは、掛け値なしにうれしいです。
そして、この演奏。きっと、この内容なら、次もあるでしょう。そのうち、グラモフォンから佐渡×ベルリンのバーンスタイン交響曲全集なんか出ないかな(笑)

その昔、佐渡裕は「日本人指揮者が海外でデカイ顔できるのは小澤征爾のおかげ」と言っていましたが、自分自身もそのキャリアに追いつこうとしていますね…。素晴らしいことです。

これからもがんばってください。応援しています。