Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

【曲目解説】ジェラルド・フィンジ:クラリネット協奏曲【夫婦共作】

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先日、大阪府内某所にてアマチュアオーケストラの演奏会があり、そこに参加していた妻がプログラムノートを書くことになりました。

ニューグローヴを調べたりと色々頑張っていた妻ですが、結局わたくしも手伝う羽目に(笑)。

夫婦で夜中までかかって曲目解説を書いたので、せっかくですからネットにさらしてみます。以下曲目解説。

 

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ジェラルド・フィンジ:クラリネットと弦楽のための協奏曲 Op.31

 

クラリネット協奏曲といえば?」という質問には、モーツァルトウェーバーのそれを連想する人がほとんどではないだろうか。「フィンジ!」と答える人がいたとすれば、おそらくクラリネット吹きかイギリス系クラシック音楽マニアのどちらかだろう。

ひと昔前の音楽辞典にはフィンジという項目がなかったほどのマイナー作曲家。しかし、フィンジの音楽には霧がかかったような孤独な響きの中に、一筋の光のような美しさがあり、一度聴いたら癖になる魅力がある。CD録音も演奏機会もあまりないため、本日の演奏会に来てくださったお客様は大変ラッキーである。

 

 

  • フィンジの人生

ジェラルド・ラファエル・フィンジは1901年、ロンドンにてイタリア系ユダヤ人の家庭に生まれる。まだ幼いころに父や兄弟を亡くし、さらに初めて音楽教育を受けた作曲家のアーネスト・ファーラーも第一次世界大戦で戦死してしまう。若いころに大事な家族や恩師を亡くしたことは、彼の人生観や作風に影響を与えている。

ファーラーの死後は、オルガニスト兼合唱指揮者のエドワード・ベアストウに師事し、1922年にグロースターシャー(ヴォーン=ウィリアムズの故郷)に移住してから本格的に作曲活動を始めた。この頃は個性的な作品が生まれており、「セヴァーン狂詩曲」ではカーネギー賞を受賞した。

1925年、ロンドンに移住後は、G.ホルスト、A.ブリスなどのイギリスを代表する若手作曲家との出会いがあった。ヴォーン=ウィリアムズとは特に親しく、ロイヤル音楽アカデミーでの作曲の講師の仕事を斡旋してもらった。

1933年に画家のジョイス・ブラックと結婚したのを機にロンドンを離れ、作曲活動とリンゴの栽培をしながら生活をしていた。彼の代表作である「ディエス・ナタリス」やトマス・ハーディの詩による一連の歌曲集はこの時期に生まれている。第二次世界大戦の勃発により初演が遅れてさえいなければ、彼の名声はもっと高まっていたかもしれない。

1939年にはハンプシャー州のアッシュマンズワースに移住した。リンゴ栽培に精を出す傍ら、ニューベリー・ストリング・プレイヤーズというアマチュア合奏団を作り、若手演奏家・作曲家たちの発表の場の提供にも寄与した。この頃から創作活動がさらに充実し、多くの合唱曲やクラリネット協奏曲などが作曲された。

そんな中、1951年にフィンジは白血病にかかり、余命10年と宣告されてしまう。余命宣告後に作曲されたチェロ協奏曲は、その悲痛な感情と妻への愛情が込められた大曲である。死の直前にはヴォーン=ウィリアムズと人生最後の旅に出ており、そこで聞いた教会の鐘の音は「平和の地 In terra pax」という作品の中で使われている。1956年、白血病に伴い抵抗力が弱まったことが原因で感染症にかかり、死に至った。

余談ではあるが、フィンジの息子の妻はチェリストのジャクリーヌ・デュプレの姉であるため、フィンジとデュプレは親戚関係と言える。

 

 

 

  • フィンジとリンゴ

前述の通り、フィンジは結婚後に田舎暮らしを始め、リンゴの栽培を始めた。イギリスはリンゴの名産地であり、日本人の約2.5倍も年間にリンゴを食しているというデータまである。イギリスのリンゴの特徴は、日本のリンゴより一回り小さく、品種が豊富なことである。フィンジは、希少な品種のリンゴを栽培することを趣味としており、彼が育て上げたリンゴはなんと400種にも及んだ。育てたリンゴのサンプルは、園芸協会(現National Fruit Collections)に送りつけられていたようだ。Baxter's PearmainsやHaggerstone Pippinsというリンゴの品種はフィンジの果樹園が起源とされている。フィンジがリンゴ栽培をしていなければ、それらは今では食べることができない品種であったかもしれない。

 

 

第一楽章 Allgero vigoroso

半音の悲劇的な衝突が印象的な序奏に続き、クラリネットハ短調の物憂げな旋律を奏で始める。楽章を通しておおむね短調ではあるが、短調の性格を決める重要な音が省かれたり変化させられたりしており、それ故に悲しみは常に内向的である。主部は二つの主題を行ったりきたりするABABAという構造を持ち、曲が進むたびにその調を変えていく。やがてハ短調の属和音にたどり着き、短いカデンツァとコーダを経て幕を閉じる。

 

第二楽章 Adagio ma senza rigore

三部形式による緩徐楽章。序奏に続く第一の部分は、弦楽の旋法的な響きの中でクラリネットが即興的なフレーズと息の長い歌を奏でる。第二の部分は第一楽章のモチーフが三拍子の中で劇的に展開される。興奮のクライマックスで第一の部分が再現されるが、やがて静まっていき、平和な響きの中に溶け込んでいく。

 

第三楽章 Rondo - Allgero giocoso

弦楽器による序奏は嬰ハ短調に始まる不安定な響きだが、すぐに開放的なメロディがクラリネットによって奏でられる。これまで曲を覆っていた雲が晴れたようなハ長調の主題は、大変印象深いものである。ロンド形式のセオリー通りに、この開放的な主題の間に挟まれて性格の異なる部分が三つ顔を出す。第三の部分では第一楽章を回想するが、長くは続かず再び明るい響きに帰っていく。

クライマックスでは、息の長い超絶技巧が素早く去っていくので、お聞き逃しなく。

 

1949年、クラリネット奏者のフレデリック・サーストンにより初演された。彼は王立音楽大学で教鞭を執っていたが、生涯最後の年に生徒のシア・キングと結婚する。彼女は、この協奏曲の代表的な録音を残している。

 

 

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こういう解説を書くときは、どうやって極力専門用語を使わないようにするかが悩ましいものです。今回も、一楽章の「短調の性格を決める重要な音が省かれたり変化させられたりしており」は本当は「主和音が第3音を欠いたり、導音にあたる音が半音下げられ属和音の性格を弱められている」と書きたかったところです。

二楽章のところでも、「弦楽の旋法的な響きの中で」などお茶を濁していますが、この楽章においては「短調に近い響きの箇所はフリジアン・ドミナント(ハーモニック・マイナー・パーフェクト・5th・ビロウ)を、長調に近い響きの箇所はミクソリディアを指向するメロディを調性からあまり逸脱しない範囲の中で和声付けしている」というようなことを書きたかったのですが、長くなるうえに一般のお客様にはさっぱりわからんと思ったのでばっさりカットしました。

しかし、こういう信頼のおける資料の少ない作品の曲目解説を書くのは大変ですが、勉強になって楽しいですな。ちゃんと楽譜読まなきゃ!ってなるし。

機会があればまた挑戦しよう。

(マイナー作曲家の解説だと、たまに辞典でもトンでもない誤訳が載っていたりするので比較検証しなきゃならないんですけどね。今回も、某音楽大辞典(ニューグローヴではないですよ)に「セヴァーン狂詩曲」が「七つの狂詩曲」として訳されて載っていて、びっくりでした。それじゃあ「Severn Rhapsody」じゃなくて「Seven Rhapsodies」でしょうよ(笑)

イギリス音楽の研究しているのにセヴァーン川も知らなかったのでしょうか?)

 

 以下参考音源など。

Clarinet Concerto

Clarinet Concerto

 

 一番手に入りやすい録音はこちら。演奏もよいです。同じくクラリネットソロのバガテルの弦楽伴奏版や、若いころの出世作セヴァーン狂詩曲などが聞けます。

 

Finzi: Clarinet Concerto

Finzi: Clarinet Concerto

 

 先日亡くなった名匠ネヴィル・マリナーの棒とその息子アンドリューのソロで聞ける一枚。弦楽の統率はさすが。違う演奏家ですが、日本におけるフィンジ受容に一役買ったピアノと弦楽のためのエクローグも収録されています。

 

Clarinet Concerto Op 80 / Clarinet Concerto Op 31

Clarinet Concerto Op 80 / Clarinet Concerto Op 31

 

 上述のシア・キング女史の演奏で聞ける。少々野暮ったくも聞こえますが、曲に対する共感を感じる演奏。カップリングはフィンジにとって師匠の師匠にあたるスタンフォードの協奏曲。こちらはかなりレアな録音です。

バンド維新2017

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浜松市民を丸5年やっている僕ですが、この度初めてバンド維新のコンサートを聴いてきました。

正直行くかどうしようか迷っていたけれども、職場に招待が来たので行ってもいいかな、と思い立ったのでした。

結果としては行ってよかった!本当に。今年は10周年ということもあって、本当にビッグネームの作曲家ばかり。作品も、例年以上に質が高かったように思います。

 

バンド維新とは、かれこれ10年は続く吹奏楽のイベントで、毎年著名な作曲家に吹奏楽作品を委嘱して初演しようという意欲的な内容。

公式ページはこちら。

www.hcf.or.jp

 

 

これまでも、デモCDをわが社の中央音楽隊が担当しているので毎年録音ではさらっと聞いていました。しかし、聞いていたのは楽譜が届いて数日で録音している大人の演奏。

コンサートで演奏しているのは浜松近郊の中・高校生です。ここが大きく違いました。

当然、空音も職業演奏家ですから、ある程度以上の技術を持って演奏しています。

しかしどうしても中・高校生とは一曲にかけるエネルギー的なものが全然違うんですね。今日はそれをとても感じる演奏会になりました。

5年前までは、僕も一般バンドの指揮をやっていたので吹奏楽コンクールに触れる機会もあったけれども、最近はそういう場から離れてしまって、「曲をこなす」という感覚で演奏していたように思います。いい意味でのアマチュアイズムというか、「1音入魂」的なエネルギーは失われていたというか。

特にスクールバンドは、その部活で活動できるのはわずか2年半。本番の数も大小あわせてたかだか年間10回~15回程度でしょう。当然、一つ一つの本番に青春特有のまっすぐなエネルギーが注がれるわけで、演奏も上手い下手問わず熱いものになる傾向にあります。

それに、今日出演していたバンドはいずれもコンクール強豪校と呼ばれるような学校で、私の出身校とは比べもつかぬほど素晴らしいところばかりでした。

 

以下一曲ずつレビュー。

 

中橋愛生「風のファンファーレ ウインド・アンサンブルとフレキシブル・バンドのための祝典音楽」はフレキシブル編成に対する提言の一曲。

昨今少子化から「この音域の楽器なら何で演奏してもええよん」という指定の6パート+打楽器みたいな楽譜が多数出版されています。

でも、それだと各楽器の良さも出にくいし、演奏技術的にもどの楽器でもできるようなパッセージばかりになってしまいがち。そこで、この作品では楽器が指定されているソロパートと、金管楽器で割り振る3パート、木管楽器で割り振る3パート+打楽器、ピアノという編成。15人くらいいれば演奏できそうですが、よく考えられた書法です。

作風としては「科戸」をもっと平易にしたようなわかりやすく効果的なもの。これはスクールバンドに受けそうだなあ。

 

合唱の世界で有名な松下耕の「Resurrection for Wind Orchestra」は短い6部からなる交響詩的な作品。今回の中では、意外にも一番吹奏楽らしい作品だったかも。

この作品に関しては、もう少し余裕というか、展開の急さをカバーできる演奏で聞きたかった感もありましたが、第5部にあたる美しいコラールが印象的でした。さすが合唱の人、と思っていたら自作の男声合唱曲からの引用なんだとか。納得。

 

服部克久「希望の世界を目指して」は本人曰く楽しいマーチ、とのことでしたが、ドキュメンタリー番組のテーマソング的な作品。少々一般的な吹奏楽オーケストレーションとは違い、独特の明るく軽いサウンド感でしたが、なにぶん中学生にはすこし荷が重かったかも。

 

海の星高校の演奏した西村朗「秘儀Ⅳ<行進>」は圧巻でした。すさまじい集中力、もちろん多少のポロリはありますが、そんなことどうでもいいくらいにこの作品の本質を掴んだ演奏。西村作品らしいカオスと、すこしネリベルを思わせるようなモーダルなハーモニーと打楽器のパルス。そして最初から最後まで一貫して続くアッチェレランド。現代的な作品ですが、会場は興奮していたと思います。

 

宮川彬良「現代吹奏楽画報」は、意外なほどマジメな作品。もちろんポップス的なハーモニー、ポップス的なリズムを用いながらも、宮川さんなりに吹奏楽と真っ向から向かい合った作品なのでしょう。楽しい作品ですが、たとえば「ファン・ファン・ファンタスティコ」といったようなミュージカル的作品をイメージすると全く違った内容に驚かれるかも。開成中学校、さすが全国バンドですな。中学生とは思えぬ鳴りっぷりでした。

 

2014年に初演された真島敏夫の「月山ー白き山ー」も素晴らしい演奏でした。浜名高校は、3年前にその作品を初演したバンドだそうで。当然メンバーは入れ替わっているでしょうが、「これは自分たちの曲だ」という思いにあふれたものでした。(本来なら山形の出羽三山をテーマに三部作として作曲される予定で、本日は第二作が演奏されるはずでしたが、昨年真島さんが亡くなられたために叶いませんでした。)

真島敏夫らしい完成されたオーケストレーション、おしゃれなハーモニーと日本的ペンタトニックの融合、構成の妙味はさすがの一言。これ山形の仕事あったら使おう(笑)

 

池辺晋一郎「石は主張するー吹奏楽のために」は、極めてストイックな曲想と、独奏ユーフォニアムのテクニカルなモノローグで独特の印象を与えてくれました。なんとも、池辺作品らしい響きでしたが、出番はあまり多くないのに、このためだけに外囿さん呼んだのはめちゃ贅沢ですね。この曲も面白いのだけれども、正直演奏はされないだろうなあ。難易度が高いのにあまり派手さはなく、そして独奏ユーフォニアムはアマチュアには演奏困難ときたら、取り上げたくてもなかなか、というのが実情のような。演奏した光ヶ丘女子は、唯一の浜松以外からの参加でしたが、東海地区の強豪だそうで、難しい曲にもかかわらず丁寧で危なげない演奏。さすがでした。

 

最後に演奏された北爪道夫「虹のある風景」津軽三味線吹奏楽の作品で、ある意味今日一番現代的な作品だったと思います。三味線と吹奏楽はかみ合うようなかみ合わないような状態のまま、でも確かに影響しあいながら進んでいくという、北爪さんらしい内容。三味線という、ノイズを音楽的に用いる楽器をソロに用いており、久しぶりに「風の国」のエッセンスを感じました。でも吹奏楽の語法はより調性的で、浜松商業の素晴らしいサウンドも手伝って大変美しいものでした。

 

閑話。

 

ここからは、ひたすらわたくしの独り言です。

さて、吹奏楽の世界は日々新作が生まれており、その新陳代謝はとても素晴らしいものだと思います。

管弦楽も当然新作は次々に生まれていますが、委嘱され初演された作品が再び取り上げられる機会はそう多くないのが現実。30~40年前に比べ「前衛」一辺倒でなくなり、レパートリーとして取り入れられつつある現代作品も増えてはいますが、あまりに偉大すぎる過去の作品群(しかもあまりに膨大)があるために、なかなか取り上げてもらえません。

それに引き換え吹奏楽は歴史が浅く、マスターピースと呼べる作品もそう多くはないため、面白い曲が生まれればすぐに定番として数年で知れ渡ります。コンクール全国大会で演奏されようものなら、あっという間に翌年にはあちこちのバンドが取り上げるのです。

しかし、これは以前からさんざんいろんな人が言っていることですが、日本の吹奏楽の世界はあまりにコンクール主体で動きすぎています。生まれてくる作品は10分前後のものがほとんど。なぜなら、9分を超えるとコンクールではカットしないと演奏できないからです。もちろん複数の楽章で構成された20分程度の作品も生まれてはいますけどね。

そんな中、吹奏楽のオリジナル作品で、「後世に伝えるべき傑作」はどれくらい生まれているのだろう、と疑問にも感じます。一時のはやりとして消費され、消えていく作品が多いのではないだろうか?とも。

もちろん管弦楽の作品も当時は最新の語法で書かれ、人々の心に残ったものだけが伝えられてきたから名曲ばかりに感じるのであって、あまり大したことのない作品も数多くあったことでしょう。しかし、現代の吹奏楽は、やはり「商業ベースすぎる」と感じなくもないのです。儲からなければ続かないのだから、難しいところですけどね。

 

あらゆるスタイルの音楽を節操なく演奏でき、卑近であっても効果の高い曲をやるのが吹奏楽なんだからいいんだよ、と言ってしまえばそれまでなんですが、やっぱり吹奏楽を仕事にしていると、もうちょっと自分たちが感動できるような作品を演奏したいなあ、と常々思ってしまうわけです。私たちの仕事に求められている内容からして、なかなかそういう曲を取り上げるのが難しいということもあるんですけどね。

 

吹奏楽にも傑作はたくさんあります。ホルスト、ヴォーン=ウィリアムス、ヒンデミット、ミヨーなどの名だたる作曲家の作品もあるし、リード、バーンズ、スパークなどの吹奏楽の世界では知らぬものなしの作曲家も素晴らしい作品を書いています。フサやシュワントナーなどの現代作曲家の作品もあります。もっと言えばイサン=ユン、ケージやクセナキスの作品もある(それが名曲かどうかの議論はとりあえず置いておきましょう(笑))

しかし、たとえばロマン派の大作曲家のシンフォニーのような作品があまりに乏しい。それは語法とかではなく、精神性、という意味で。

バーンズの三番は吹奏楽の歴史に燦然と輝き、なんならどっかのオケ定期のプログラムに乗せても遜色ない作品だと思っています。しかし、どこの吹奏楽団も、ここぞという時はこればっかし。他のシンフォニー、ないの?と思ってしまいます。発売されるCDも、「コンクール自由曲選!」とか、実質出版社のデモCDであるとかが多数をしめ、プロの吹奏楽団も同じ曲の録音ばかりが多く以前の佼成出版のような意欲的な内容のCDはめったに見られません。

 

そういう中、スクールバンドを対象にし、短い作品ばかりではありながらも、様々なスタイルで実験的な試みを続けいているバンド維新というイベントはとても貴重なものだと思います。やはりそれは行政が金を出しているからできることなんでしょうね。

中にはマンネリをささやく声もありますが、やり方なんてまた考えればいいんです。

なんだったら2年前から20~30分くらいの作品を3人に委嘱するような試みをしたっていいわけですから。うむ、個人的にはそれ聞いてみたい(笑)。

なんにせよ、来年は一回休むそうですが、せっかく浜松に住んでいるのだから、今後も聞きに行きたいなあと思った次第でした。

 

バンド維新2017

バンド維新2017

 

 

インターバル合成

自分のカメラにせっかくついている各種ドライブモード。連射くらいしか使ったことがないのでひとつ試しにインターバル合成をやってみました。

 

被写体はプラハのホテルで買った土産物の時計。市内にある時計台をモチーフにしているものです。

 

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秒針が何本も見えるのがおわかりでしょうか。

これはストロボを使用して暗めに撮ったものを「加算」で重ね合わせています。

明るく撮って「比較明」にすると、文字盤が白いところは針が消えてしまってダメでした。「平均」にすると針が薄くなりすぎる。となると「加算」しかないな、と。

ストロボの連射スピードがあまり速くないのと、カメラの機能としてインターバルが2秒より短くできないのでこのような間隔のあいた秒針になってしまいました。

今の技術と機材やとこの程度の写真しか撮れず。もっといいアイデア、ないかなあ。

photoshopはまだ全く使いこなせていないのですが、明暗ではなく特定の色について濃いところを選んで合成する、みたいな機能があればもっとはっきりと秒針が写るのかも。

まだまだ勉強不足です。

 

 

プラハ歴史散策 (講談社+α新書)

プラハ歴史散策 (講談社+α新書)

 

 

 

 

流し撮りの練習に浜松シティマラソンを観戦するの巻

最近機会がなく、カメラをあまり触ることができないでいました。これはいかんと、せっかく近所を走るようなので浜松シティマラソンを撮りにいってみました。

第13回 浜松シティマラソン

マラソンとは言うものの、種目は3km、5km、ハーフの三種類。

それなら当然ハーフを…と思いますが、出走場所や時間の関係で今日は5kmの人たちを撮影に行ってみました。

流し撮りは初挑戦。全体的に出来が悪いのはご容赦ください。

 

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今日は天気はいいものの放射冷却のせいか気温が低く、おまけに浜松特有の強風でランナーのみなさんは寒そうでした。まあ走り出したら暑いに決まっていますが(笑)

 

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出発場所は我が家の近く、四ツ池公園。なんでも浜松市で最初にできた公園だそうで、わりと立派なトラックや年一回プロ野球も開催される球場もあります。

普段から市内の陸上大会などでよく使われている場所ですが、今日は屋台なども並んでいて賑わっていました。

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いやしかしすごい参加人数です。シティマラソンってこんなに盛り上がっているイベントだとは全く知りませんでした。こんな団子状態では走りにくかろう(笑)

 

さて、出発を見届けたら場所を変えて帰ってくるランナーを狙います。なにせ5kmなので、トップランナーはわずか15分で帰ってきますからうかうかしていられません。

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トップランナーは浜松商業の高校生のようです。慌てて撮ってみましたがちゃんと止めるのは無理でした。

この坂道コース、強風、参加人数の多さの中15分を切る勢いで帰ってきた彼らはすごい!キロ3分って、ちょっとでもタイムを気にして走ってみるとわかりますが全力疾走みたいなペースです。このペースだと僕はわずか300mしかもちません(笑)

 

その後も露出やシャッタースピードなどを調整しながら何枚も撮りますがなかなかうまくいきません。流し撮りって難しいなあ。シャッタースピードを落としすぎると何撮っているかわからないくらいのボケ写真になるし、駆け足のスピードだと1/200くらいで背景も止まってしまいます。

 

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真剣に走る人たちはみんな表情が素敵ですね。さすが20分以下で走ってくる人たちは鍛え上げられた身体しています。

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結構な年齢の方もいいペースで走ってらっしゃいます。こういう体形のオッサンになりたい。

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シャッタースピード上げて完全に止めてみたり。

 

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完走することに意味がある系の皆さんも集団で帰ってきましたがそれでもタイムは30分ちょい。普段からわりと走っている人でないとこのタイムでは走れません。みんなえらい。

かくいう僕も、3kmほど真剣に調整はしていませんが5kmはベストタイムで24分くらいなので大差ありません。体育の成績2の高校時代を過ごした人間にしてはマシなほうやと思っています(笑)。

 

と、朝一番から撮影に行ってみましたという日記でした。

この後パソコンと格闘する一日が始まるのであった(ひとつ前の記事参照)。

流し撮りは難しいけれど楽しかったです。機会があればモーター系でも試してみたいところ。またスーパーフォーミュラの仕事とか入んねぇかな(公私混同、ダメ絶対)

 

 

 

Windows 10 Anniversary Update(ビルド1607)の不具合対処まとめ

win10でアップデートに失敗し続ける不具合が結構発生しているようです。

私もがっつり引っかかっていて、長い間無視していたのですが、頻繁に更新画面で2時間近く待たされるため、この度重い腰をあげて対処してみました。

なんとか解決できたものの、ほぼ丸2日を要する大事業となってしまいました。

 

もし同じ症状で対処法を探してこの記事にたどり着いた方のために先に結論を書くと、最終的に私が解決した方法は

アンチウイルスのアンインストール

MacTypeのサービス停止

・メディアクリエイションツールで更新を手動ダウンロード

でした。

MacTypeってなんぞや、という人は気にしないで大丈夫。フォントを綺麗に表示してくれる中華製ソフトなのですが、どうやらこれの旧バージョンがwin10ビルド1607を停止させてしまう致命的な不具合を持っているようでした。

その証拠にアップデート成功後にサービスを再開させたらブラックスクリーンでフリーズしました。再起動しても改善しないので、BIOS経由でセーフモードを立ち上げ停止したらまた立ち上がりました。

ただ、MacTypeの停止とアンチウイルスの一時停止だけではアップデートは成功しませんでした。私は安いのでAvastを使っているのですが、アンインストールしたらアップデートに成功。こちらはその後再インストールしても、特に不具合はありませんでした。

・追記・

挙動監視シールドが不具合を起こしました。詳細は記事後半。

 

以下、参考URLなど交えつつ詳細です。

・下調べ

answers.microsoft.com

まずは公式。こんなページが公式にできているということは、相当な数の失敗報告があったのだろう、、と推測されますね。グラフィック関係のドライバなど他の原因でエラーが出る人もいるようです。

とりあえず一通りこちらの対処はしてみます。しかし私の場合は解決せず。

 

・メディアクリエーションツール

こちらのページを参考にメディアクリエーションツールを使用。

ちなみにUSBなどの外部機器へのインストールメディア作成はせず、ファイルとアプリケーションは引き継ぐオプションを選んでいます。

doyagao.staba.jp

ダウンロード元URLはこちら。

 

Windows 10 のダウンロード

 

 

しかしやっぱりダメでした。

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こんな感じのエラー画面になりました。

エラー番号0xC1900101-0x4000Dで調べるもののいまいち有益な情報に出会えず。

 

・もしかしてMacTypeが原因じゃね

しかし、上記ページにも書いてあるとおりMacTypeがエラーを引き起こしてる可能性に行き当たります。

 

www.yak-and-duck.com

 

そこで

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こちらからサービスを選択、MacTypeサービスを停止。

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プロパティからスタートアップの種類を無効にするのも忘れずに。

 

再度アップデートを試みるも失敗。

なんでや!

 

アンチウイルスをアンインストール

ここまできたら試せることは全部試す。

マウスとキーボードを除くUSB機器を全部外して、Avastもアンインストールしてやりました。

そうするとなんということでしょう、Windows Updateが更新のダウンロードに失敗するという違うエラーが。なんでやねん、、、、、

 

メディアクリエーションツール経由でようやく成功

しかしへこたれずにメディアクリエーションツール経由でインストールを試みます。

ファイルとアプリケーションは引き継ぐを選択するも、これで無理なら外部メディア経由のブート、クリーンインストールしかないかな、と思っていましたが、無事成功!

 

MacType最新版に更新

その後、Avastを再インストールし、MacTypeサービスを有効化したところ即死亡。

ぬお、、、、

下記URLなんかを参考にしつつ、そもそもログインすらできないのでBIOS経由でセーフモードを立ち上げます。

 

Windows 10/8.1 のセーフモード起動方法、PC復旧方法 - ぼくんちのTV 別館

 

再びサービスを無効化して再起動、その後調べていると最新版はビルド1607に対応しているということが判明。

silight.hatenablog.jp

おっかなびっくり最新版を導入してみましたが不具合は発生せず。

ようやく今まで通り使えるようになりました。

 

そもそもなんでMacTypeをそこまでして使うかというと、去年win10にした際、SONARWAVESプラグインを使用するとパラメータの表示が小さすぎて読めないという謎現象が起こったのです。それを解決するため、システムのフォント表示をいじくるソフトとして出会ったのでした。

なので。今回さんざん悩まされましたが新バージョン出ててよかった。関係者のみなさんありがとう。

 

さて、この手の問題が発生すると私のような「使う専」の人間は対処に非常に困ります。どこでどのように不具合が生じているのか、ネットの情報が頼りというのが正直なところ。もし同じ現象が起こっている人がいたら、ぜひ貼ったURLを参考にしてみてください。

とりあえず貴重な休日かえせ。

 

 

・追記・

アップデート後、さまざまなアプリケーションが立ち上がらないエラーが出ました。

開いても、なんの音沙汰もない状態です。

タスクマネージャで監視したところ、一瞬立ち上がってすぐ強制終了されている模様。

ちょっと悩みましたが、プロパティの互換性タブから「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れたところ無事立ち上がるように。

他の人はこの症状出ていないのだろうか?

 

・さらに追記・2017.2.23

どうやらアプリケーションが立ち上がらなかったのはAvastのせいっぽい。

公式が出している削除ツール

アバスト アンインストールユーティリティ | アバスト削除ユーティリティ aswClear のダウンロード

でいったんアンインストールしました。

そうすると全部のファイルが普通に立ち上がるではありませんか。

んで、再インストールする際は挙動監視シールドをインストールせず、インストールされた後もプログラム実行時スキャンをオフにしたところ、ごく普通に使えるようになりましたとさ。

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一瞬ほかのアンチウイルスに移行しようかとも考えましたが、他のアンチウイルスも結局誤検知はあるみたいなので、当面ライセンスが残っているうちはAvast使っておこうと思います。

 

 

Avast Mobile Security & Antivirus

Avast Mobile Security & Antivirus

 

 

楽譜製作

久しぶりに編曲というかなんというか、詳細は書けないのですが一曲スコアとパート譜をちゃんと完成させました。

短い曲なのに、相変わらずえらく時間がかかってしまった。

 

いやー、本当に本職のアレンジャーや作曲家はすごいなあ。ずっと書き続けている曲もなかなか完成しないし。つまりは堪え性がないのでしょう。あとはやっぱり時間の使い方が下手なんですな。

前からずっと時間の使い方を上手くなりたいと言いながらなかなか実行できていないわたし。2017年もやっぱり同じ「時間の使い方を上手くする」が目標になりそう。

12月に振り返ったときに、今年はこれをやった、これが出来るようになった!と言えるように頑張ろう。

PENTAX KP 発表

年末にヨドバシ梅田でRICOHの兄ちゃんが

「いやー、確かに売り場からはK-3IIは消えてますけどね。まだK-3IIIの話はなんも聞いてないっすねー。中の人がこの時期に何も知らないってことは年明けのCP+とかで発表とかはないと思いますよ」

 

と言っていたのですが、何のことはない、別の機種が発表されましたね(笑)

 

というわけでPENTAXから26日に新モデル発表ですね。KP、というそうな。

僕は25日にpentax-memoさんを見て翌日の発表を知りました。

www.ricoh-imaging.co

 

もうすでに展示品を触ってレビューを書いている方も…(笑)

blog.lovepenta.xyz

 

ビジュアルがクラシックっぽいのは最近の流行りなのでしょう。

OLYMPUSあたりが火付け役なのかなあ?とにかくミラーレスを中心にクラシックカメラ風デザインが多いですが、このモデルもちょいそこらを意識している感じ。

 

個人的には見た目うんぬんよりも高感度性能の飛躍的向上が気になる。

K-70もK-S2から高感度はわりと進化しているらしいですが、K-S2を買ってしまった人間からするとK-70はスペックが似通いすぎていてそこまでピンときませんでした。

しかしKPは様々なところがワングレード進化していて、K-1仕様になっている個所も多々。手ブレ補正5段でISO819200までいけるとかなんやそれ。K-S2が手ブレ補正3.5段とISO51200までなので、つまり非常手段で最高感度を使えばいままでより5.5段ぶんの歩留まりが確保できるということか。電子シャッターも搭載らしいから、動体を写すことの性能に関してはかなりの向上ですよ。

あとは、ISO6400やISO12800くらいの現実的に使いたい領域でのノイズがどんなもんかってとこが大事ですが、こればっかりは実写してみんことにはさっぱりわかりませんな。

 

実機を触ってみないとわからない点は、あと背面液晶の綺麗さ。KPもスペック上はK-S2やK-70と同じなのですが、K-S2の背面液晶ってあんま綺麗に見えないんですよね。K-1を店頭で触ったとき、液晶の綺麗さにびっくりしましたもの。

背面液晶の綺麗さは、写真を撮った時の喜びに直結すると思うので密かに力を入れてほしいと思っているポイントです。でもきっと同じ液晶使ってるんだろうな。ドット数だけで行けばスマホより高密度のはずなんですけどねえ。

 

AF性能はK-3IIをブラッシュアップした程度らしいですが、それはつまり現段階ではAPS-Cのフラッグシップモデルですよ、という話なのだろーか。

SDカードのスロットが1枚になったこととGPSが外付けに戻ったこと、あとは連写性能の3点以外はK-3IIよりも高いですからねえ。値段もそれ級やけど、、まあ、C社やN社のカメラに比べればコスパははるかに高いですが。

K-1だって、同程度の性能を持つ他社製品と比べれば5~10万くらい安いですもんね。

 

最近妻の職場がCANONのEOS 80Dを買わはったわけです。決め手は量販店で触った際のAFの素早さ、手ブレ補正性能の確かさに感動したから。ちなレンズは18-135。僕も触りましたが確かにPENTAXに慣れた身からするとあまりの爆速AFにたまげました。

しかし、PENTAXもDA55-300PLMは及ばずながらも遠くないAFスピードがあります。これから他のレンズもリニューアルされた際にはパルスモーター化されることでしょうし、K-1の成功で勢いを増しているPENTAXの発展に期待、です。

 

てなわけで物欲日記でした。あ、でも99.9%買わないですよ。お金ないし。出かけた時くらいしか写真撮らないし。カメラのこととかレンズのこと調べるのが楽しいだけです。

まあそういうタイプが一番沼にはまりやすいんでしょうけどね(笑)。

えーっと、買う予定はありませんので、安心してください(妻へのメッセージ)