Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

金管五重奏の配置について。

またもやバンドのブログに書き込んだものの転載です。

金管五重奏の配置について。

まず、トランペットの配置で大きく二種類に分かれます。
対向配置型と隣接配置型です。

対向配置型
1、現在のアルディート
1st、Tb,Tu,Hrn,2nd

2、アート・オブ・ブラス・ウィーンなど
1st、Hrn、Tu,Tb、2nd

3、ベルリン・フィルハーモニック・ブラス・クインテットなど
2nd、Hrn,Tu、Tb、1st


隣接配置型
1、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルなど
Tb、Hrn、Tu、2nd、1st

2、カスタム・ブラス・クインテットなど
1st、2nd、Hrn、Tb、Tu

3、カロライナ・ブラスなど
Hrn、Tb、Tu、2nd、1st

4、リバスト・ブラス・クインテット(M.アーノルドのクインテットのみ)
Tb、Tu、Hrn、2nd、1st


それぞれの利点として
対向配置型:サウンドのマッチ感が出しやすい
隣接配置型:トランペット同士のアンサンブルが容易
ということが挙げられると思います。

対向配置はいずれもテューバが中央に位置し、トランペット同士、トロンボーンとホルンの入れ替わりのみの差です。
恐らくアート・オブ・ブラスの配置がもっとも一般的でしょう。
この3つ、演奏者側としてのアンサンブルのしやすさに差はあると思いますが、聴衆としてはそれほど大きな変化はないのでは、と思えます。

一方、隣接配置型は並びの自由度がより高く、ホルンとテューバの位置(つまりはベルの向き)で大きくサウンドが変化しそうに思えます。
例えば、フィリップ・ジョーンズの配置は対向配置に近いオーソドックスなサウンドが得られそうですが、カスタムはホルンのベルが真後ろを、テューバのベルが客席側にダイレクトに向くことから、ワイルドでストレートな音色になりそうです。
一方カロライナはテューバ以外のベルが客席側を向きますので、上四声のストレートなサウンド+テューバの支えという構図になることを想定しているのではないかと思います。
リバストに関しては、アート・オブ・ブラスの配置を基本に、曲ごとに配置を変えて演奏なさっていたのですが、アーノルドのクインテットユニークな並び方だったので載せてみました。
曲管のベルが真後ろを、直管のベルが客席側を向くような並びになっていますので、曲の作り次第では有効な並び方かもしれません。


このように、金管五重奏の配置は思った以上に自由度が高く、それぞれに特色がありますので、悩みどころですね。


こーいうのを書いておくと、村興しに役立つかなぁとか思ったりしたもので(笑)。