Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

バリチューバ。

今、僕が通っている大学には、ユーフォニアムとチューバの専攻生が全部で36人います。そのうち27人が1,2回生なんですが(Eu19,Tu8)、今、その27人でバリチューバオーケストラをやっています。

正直言うと、ナンセンスです。

授業という形態上仕方の無いことではありますが…あまりにも人数が多すぎて、訳が分からないことになっています。

そもそも、バリチューバアンサンブルというものの存在自体がなかなかキワドイ編成だと僕は思います。
低音域の倍音豊かなサウンドが特長の楽器が集まってアンサンブルをすればどうなるかは目に見えているわけで。
まだカルテットはバランスの良い編成で、可能性のあるものだと思います。やや変わり種ですがクインテットぐらいまでならなんとか良いアンサンブルが出来るんじゃないでしょうか。

しかし!!27人のバリチューバオーケストラなんて、言ってみればチエロとコントラバスが50人でアンサンブルするようなものです。あなた、聴いてみたいですか?

1000人のチェロコンサートっていうのがありましたが、あれは言ってみれば「参加することに意義がある」ものでしょう?

つまるところ、バリチューバオーケストラっていうのも、典型的な「やる側の音楽」なわけです。同族楽器が集まって自己満足のアンサンブルをやる…そういう風にしか、考えられません。
コンサートをやっても、ユーフォ吹き、チューバ吹き以外の誰が聴きに行くんですか?

管楽器奏者というのは同族楽器アンサンブルをしたがる習性があるようで、大概の楽器は同族アンサンブルが存在します。ですがその中で芸術的に価値のある編成なんて、サキソフォンカルテット、ホルンカルテット、トロンボーンカルテットがいいところで、まあフルート、クラリネットなどは「まだ聞けるかな」ぐらいのものではないですか?
その中でもバリチューバというのは、もっとも厳しい編成の一つでしょう。楽器がマイナー。モゴモゴする。オリジナルの楽曲もマイナーな作曲家のものしかない。

もともと同族楽器アンサンブルは音色が単調なものですから、その中で、統一された音色ならではのハーモニーというのが魅力の中心となるわけです。そうすると、トランペット、フルートのように低音が欠ける楽器は落ち着かないし、バリチューバでは低すぎて綺麗にハモらない。
ましてや、人数が増えると2乗に比例するぐらいの勢いでそれらの特徴は助長されていきます。

結局、そういう問題を解決し、それぞれの特性や音色を生かせるようにしたのが木管五重奏(Fl,Ob,Cl,Hrn,Fg)であり、金管五重奏(2Tp,Hrn,Tbn,Tub)だと思うんです。

…とまあここまでの話を理解した上でも、やはりバリチューバカルテットというのは楽しいです。音域の限り、運動性の限りを尽くして同族楽器だけでどこまで出来るかに挑戦するのはなかなかエキサイティングなものなのです。

前の話と照らし合わせていけば、問題点を見つけることも比較的簡単です。�まず、出来るだけ少人数で完成されたものを目指す。�また、明瞭に聞かせるためにピッチ、縦の線をしっかりあわせる。�バリチューバを知らない人でも楽しめる曲や音楽的にしっかりした曲をやる。

そこで、冒頭の話題をこれと照らし合わせてみます。27人のバリチューバオーケストラ。�、アウト。�、困難。�、大概が現代曲。アウト。

駄目じゃん!!!

当然�は探せば良い曲も出てきそうなものです。しかし、そんな大編成のバリチューバオーケストラは世界広しといえどもそうそうないでしょうから、その編成に見合った曲などまずありえず、せいぜい8人〜16人程度を想定した曲をやらざるを得ません。過剰人数はこの場合かなりのマイナスポイントです。
27人に適した編曲をしてはどうか?
上手く編曲できればいいものが出来るかもしれません。ただし、編曲者には相当の技量が必要です。いい加減な考えでチューバに一つ音をフォルテで書くだけで、8本のチューバが咆哮するんですから、繊細なオーケストレーションは必須です。当然、一般にはそんな楽譜出回ってませんから委嘱ですが、そんじょそこらにそんなにバリチューバに精通した人材は転がっていません。

というわけで。
これだけ長々と書いた結果何が言いたいかというと。

「合奏の授業が微妙。」
ということでしたー(笑)。