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Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

視点

ぽーにょぽーにょぽにょさかなのこ!(挨拶)

というわけで崖の上のポニョを見に行ってきました。
ジブリネタ連荘ですね。
今回はどうしてもネタバレが含まれてしまう恐れがありますので、極度に気にする方は読まぬよう。

えー、この映画、宣伝はさも子供向けな宣伝ですし、歌もガキンチョが歌っている上にあの強烈に頭にのこるフレーズで、なんとなく見る前からげんなりしている方も多いのでは?

そんなあなたのために、駿ファンの僕がキャッチコピーをつけます!

「海と陸との境目が崩壊する時、駆け抜ける5歳の少年と魚乙女」

もしくは

「子供達には世界の危機なんてお構いなし!?」

といった感じでしょうか(笑)

まず申し上げなくてはならないのは、僕個人としてはとても素晴らしい映画だと感じた、ということです。
世界のハヤオはまだ枯れていなかったッッッ!!!

ただ、この映画は一筋縄ではいきません。
見る人によって、本当に様々な視点で見ることが出来る映画です。

人によっては、映像は綺麗だけど単なる子供向きのストーリーで退屈、と感じるかもしれません。

人によっては、「母性」というものについて考えさせられるかもしれません。

僕のようなクラシックマニアにとっては、ニーベルングの指輪との相互関連性を云々とニヤニヤしながら見ているかもしれません。

さらに、僕のような駿ファンにとっては、漫画版ナウシカのイマジネーションはまだ使い切ってなかったんか(笑)とニヤニヤするシーンを見つけることでしょう。


今回の宣伝文句の一つに、「原点に戻りたい」という宮崎御大の言葉がありました。
「トトロのように子供にでもわかる映画を作りたい」と。
実はこれ、多分半分嘘。
原点とは、僕が思うに
風の谷のナウシカ」です。

ですが、彼はもうジジイ。そして、もう何度か監督業を廃業しようとしている。

今回は、だからこそ撮れた映画だと思います。
ナウシカであってナウシカでない。

実はこの「ポニョ」、ナウシカばりの世界の大危機に陥るんですよ。
でも、主人公は5歳。ヒロインも年齢不詳ですが精神年齢は5歳。
そんな子供に、大人の事情なんて関係ないわけです。

宮崎アニメの魅力の一つに、裏設定、というものがあります。
どんなアニメでも、彼の発想から生まれた限りは、映画の枠内ではとても語りきれない膨大な設定があるんです。

今回は、そういう裏設定が満載すぎます。
というか、殆どの重要な設定が、映画の中で「どうでもいいこと」として扱われている。しかも、意識的に。
あくまで焦点があたるのは幼い主人公二人。
なんで世界が変貌を遂げたのかとか、そういうのは端々の情報を拾っていけば想像は出来ます。意味深なシーンも多いし。
でも、それはこの映画にとって「裏設定」として扱われている。

今までなら「表」として描かれた部分を、どうでもいいように扱って流してしまうその思いっきりのよさ、それは、今までの自分の手法を捨てて、その反対側に光を当てるということ。
いや、面白かったです。

でも、そこらの意識的な視点の裏返しに気づかなければ、本当に子供向けのファンタジーにすぎないと見えてしまうのかも?それで楽しめるならそれはそれで構わないんですけど…(笑)


あと、久石氏に関しては、相変わらずの筆捌きで、宮崎アニメはこうでなくっちゃという出来。
トトロの時並みのライトモティーフの使い方も垣間見え、今回はさらにワーグナーのパロディーまでおおっぴらにやってしまうという…(笑)

クラシックの作曲家としてはそこまでな彼ですが、現在劇伴を書かせて右に出るものは、ジョン・ウィリアムスくらいじゃないでしょうか。(個人的にはシルヴェストリも好きだけど)

いやはや、行く先が心配だっただけに、嬉しかったです。
皆さんも暇ならどーぞ。