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Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

CDのレビュー3

Tfktok8d R・シュトラウス
アルプス交響曲」他
指揮:小澤征爾
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


ハンス・ガンシュというトランペッターについて。
1953年生まれで、1985~1996にウィーンフィルの主席トランペットとして在籍しており、この録音を最後に(推定)ソリストとして活動するために退団した、というのがはしょったプロフィールです。
プロ・ブラスやアート・オブ・ブラス・ウィーン、オーストリアン・ブラス・コネクション、ウィーン・ブラスなどのアンサンブル活動も多岐に渡る、どんな時でもロータリートランペットを携え、凄まじい技術力とえげつない音量、そして稀有な美音で最近話題のトランペッターです。
かくいう僕も去年のウィーン・ブラスの来日公演で彼にノックアウトされた一人なのです。

とまあ、ここまでは普通の話なのですが。

この、ソリストになるために退団した、ってのも変な理由だと思いませんか?どうも、実際は「ウィーンフィルのスタイルに合わない」云々とかなりイチャモンをつけられて辞めたようなのです。
うーん、ウィーンらしいなぁ(笑)。
指揮者の岩城宏之先生の「フィルハーモニーの風景」という、ウィーンやベルリンといった有名オーケストラや指揮者のウラ話が満載でとても面白い本があるのですが、それによればウィーンフィルというのは非常に「気質」があるらしく、自分たちのスタイルというものに固執するオケのようです。
無個性なワールドワイド・オーケストラが増える中、そうやって伝統を守る姿勢はそれはそれで良いことなんだと思いますが、それはガンシュのスタイルとは合致しなかったようです。
ガンシュも、ロータリーをジャズでも使う恐ろしいウィーン野郎なんですけどね(笑)。

このCDは、そのガンシュとウィーンフィルの直接対決とも言える演奏です。あちらこちらで明らかにバランスを逸脱するファーストトランペット。絶対、挑発でしょ、コレ(笑)。
対抗するとばかりにホルンも吼えまくり…正直、やかましいです(死)
カップリングは金管合奏の曲が2曲。…そう考えると、金管連中はガンシュの味方だった??だから金管のみで出来る曲を選んだとか…?
なんせ気に入らない演奏をする時はあの帝王・カラヤンですら無視するオケ。ありえない話ではない。

小澤らしい色彩的な演奏だと褒められた演奏だそうですが…全体としては僕はあまり好きになれません。明らかに、外面効果を狙いすぎです。…という感想も、ウラ話を踏まえると、小澤のせいではなく、オケ内での壮絶な人間関係が透けて見える…と考えると非常にニヤニヤ出来る演奏かもしれませんね。意外と、小澤もヒヤヒヤしながら振ってたりして。

いやー、面白いですね、人間関係(悪趣味)

ウィーンにはそんなウラのあるCDってのは結構あるらしいです。ショルティ指揮のベートーヴェンとか。
当時のコンマスは「殺してやる」とまで言った犬猿の仲だったそうで。
また手に入ったら詳しい話を書きます(爆)