Concert Etude op.2

制服系ちゅーば吹きbeardのブログ

ご報告とか

お久しぶりです。毎度この書きだしもどうかと思いますね。反省はしていない。

前の日記でネタフリしていた件、諸般の事情が解決しましたので書きます。 

このたび、私は、航空自衛隊音楽隊に合格しました! 
採用は一人だけ。関東の会場で受験した数は全然わからないので受験者の正確な数はわかりませんが、おそらくチューバだけで関東と関西合わせて20名くらいは受験していたのかな? 
国公立芸大生も受験していた中で、僕を選んでいただけたということは、本当に光栄なことです。 
これもひとえに、尊敬する師匠・武貞先生の教えの賜物だと思います。…といってもかれこれ2年くらいレッスン受けてません…ですが、大学を卒業してレッスンを受けなくなってからのほうが強く「武貞門下」の音でありたい、ということを意識し始めた気がします。 
(実は今回の受験、一回もレッスン受けずに臨みました。一応、色々考えあってのことです。) 
こういうオーディションの類でちゃんと評価してもらえたのは本当に初めてで、これまでオケのオーディションは言うに及ばず、大学内のコンチェルトオーディションだとか、管打楽器コンクールとか、一次すら突破したことがなかったんです。 
だからとてもうれしいです。挑戦してみてよかった。 


配属は訓練が終わってみないことにはわかりません。 
少なくとも関西に支部はなく、青森・東京・静岡・福岡・沖縄のどこかになります。 
まあ沖縄はビッグバンドなので、チューバの採用はないとのことですし、まあ内情はこそこそっと仕入れているのでおそらくここだろうという目星は付いているんですが…。 

僕は兵庫県西宮生まれ、西宮育ちなので、実は今まで長期的に実家を出て暮らした経験がありません。 
もちろん友人もほとんどが京阪神に住んでいます。 
ですので、4月から関西をはなれることは本当にさみしいです。しかも、上述のとおり、関西に航空の基地がない以上、帰ってこれる見込みも正直あんまりないです。 
でも、それはそれ。先のことはわからない!今心配してもしょうがない。行った先も住めば都だと思えるかもしれない。今は例の格安航空機ピーチとかいうのもあるので、訓練終わったら月イチくらいで帰れるかもしれないし。

とりあえず今心配すべきは、入隊時の健康診断をちゃんとクリアすること、4か月の訓練に耐えること(笑)、それだけです! 

また、この2年ずっと指揮させてもらってきた守口市青少年吹奏楽団とも次の定期でお別れです。でもそこは、信頼する同級生、石油王ハナ・タカシ(笑)にお願いできる運びになったので、ひと安心。 
というか、書けなかった諸般の事情というのはそのことで、棒振りの後任が決まるまでは混乱を避けるために黙っていたんです。 
2月の定期までは、ちょっとイジめ度をUPさせてがんばります。 


あと、まったく関係ないですが、今年も甲南大学のオケ部のエキストラ行ってきました。
社会人になってからはめっきり吹く本番が減ってしまったので、とても楽しく参加させていただきました!
曲は、ウィンザーの陽気な女房たち(降り番)、カレリア組曲ラフマニノフ交響曲第二番。
チューバ的おいしさで言うと中の中くらいですかね?
ラフマニノフは伸ばしがすごく多いので、めっちゃ体力のいる曲でした!でも伸ばしは大好物なのでがんがん吹いちゃいました。

毎年思いますが、こういう学生オケっていうのは、技術的にはやっぱり厳しい面もある中で、半年くらいずっと同じ曲に向き合って練習するわけです。ヴァイオリンを4月に生まれて初めて持った人間が、オーケストラの作品を弾いちゃうわけで…。すごいですよね。
そうやって長い時間をかけてたった3曲に打ち込み続けたエネルギーは並大抵のものではなくて、演奏のクオリティがどうこうを超えてぐっとくるものがあるというか、学ばされることが多いです。
ひとつひとつのフレーズに対する思い入れが、本番抱える数の多い音大生とはケタ違いなので、たまにびっくりするくらいの素晴らしいソロが聞けたり、、。
これから音楽を仕事にする人間の端くれになるわけですが、そういう「温度」みたいなものは失くしたくないなーと思います。

とくに今年は、いつもイケイケになりがちな甲南がぎりぎりで冷静さを失わずに踏みとどまった感があって、例年と比べた出来としてもなかなかだったんじゃないかと思います。今回、関西を離れる自分にとっても「退団」になるわけで、個人的な思い入れも強かったので、良い演奏会になってよかったです。

そのほかにも自分にとって、とてもとても大きな変化があったのですが、それはこういう場に書くことではないと思うので、まあ、一応、書くのやめときます。。。てへ。

まあそんな感じで2011年はいい年になったなという思いをひしひしと抱きながら毎日を過ごしているわけなんですが、そのせいか仕事に身が入らなくて困ります(爆)
2月末で仕事も辞めるので、もうちょっと頑張りまーす。

In Memoriam Maestro K.S.

beardです。お久しぶりです。生きています。

実は、自分にとってとても大きなニュースがあったのですが、諸般の事情によりまだここに書くのは差し控えます。速く言いたくてしょうがないんですが(笑)

で、今回の記事は、それとはまったく関係がなく。

最近ハマっている指揮者がいるという話。

それは、先日逝去された、クルト・ザンデルリンク

クラシックオタクには逆によくわからないのですが、知名度的には、それほど高くない部類に入る指揮者なのでしょうか?

たぶん、マズアとか、スウィトナーとか、そのくらいの知名度ですよね(笑)

ざっくり紹介すると、ドイツ(正確にはプロイセンの現在はポーランド領の地域)生まれ、ユダヤ人だったためナチスから逃れロシア(ソヴィエト)に亡命、ムラヴィンスキー(!)に師事し、ショスタコーヴィチと親交を温め(!)戦後は東ドイツでベルリン響の音楽監督として活躍…という、ちょっと変わった経歴の持ち主です。

ステレオタイプな評としては、レパートリーとしてはロシアもの、ドイツものが中心で、重厚で堅実な演奏が持ち味…というものです。

確かに、彼の演奏はまったく派手さはありません。

極端なテンポを要求するわけでもなく。オーケストラをガンガン鳴らすわけでもなく。

言ってみれば、ゲルギエフなんかと対極にいる指揮者と言えるでしょう。

私自身、訃報に触れるまではそれほど注目して聞いていた指揮者ではありませんでした。シュターツカペレ・ドレスデンとのブラームス全集は好きでしたし、シベリウスチャイコフスキーの録音も持っていました。ですが、あえてザンデルリンクに着目して聞こうとまではしていませんでした。

ですが、先日訃報を受け、勝手に追悼企画でチャイコフスキーの4,5,6を虚心坦懐に聞いてみたところ、これがとんでもなく良い演奏であることに気付かされたのでした。

とにかく地味なチャイコです。普通、チャイコの名演と言えば、ムラヴィンスキー×レニングラードとか、カラヤン×ベルリンフィルとか、アバド×シカゴ響とか、その類の録音が挙がるのかなと思いますが、要するにどれもやかましいオケです(笑)もちろんいずれも弱奏部の表現力も豊かなオケですけどね。

それに引き換え、ベルリン響は技術的にこれらのオケより半歩劣ることは間違いありません。(レニングラードは「当時の」が付きますが)

おそらく、ごく一般的な「聴き専」のクラシックファンにはまったく注目されない録音といえるでしょう。

でも、本当にフレーズ感が豊かなんです!ちょっとした音の処理とか、アウフタクトの持っていき方の統一感と言ったら!楽器間の受け継ぎも素晴らしく自然です。

全体の音量は落としめではありますが、最強奏でも金管だけの音楽にならず、その時の主声部をきっちりと歌わせるその音楽づくりは、まさに「音楽的」なアプローチ。爆演路線に走りがちなチャイコフスキー交響曲を、ドイツ・ロマンの延長線上にある絶対音楽として真摯に聴かせる名演だと僕は思っています。

余談ではありますが、チャイコフスキー西洋音楽史上有数のメロディ・メーカーであることは恐らく異論のないところだと思います。

しかし実は、本人はそういう評価に対してコンプレックスを抱いていたようなのです。

「この交響曲には不誠実な虚飾がある」とは5番を初演した際に自身がもらした言葉だそうですが、要するに、彼は自分の作品が形式や構築性の面で完成度の低い作品であると常に思っていたようです。

ブラームスをして「私なら、彼のごみ箱から何曲の交響曲が書けることか!」と評したドヴォルザークが、ブラームスの音楽に憧れて7番交響曲を書いたように、稀代のメロディ・メーカーは逆に構築的な音楽に憧れているというのは面白いことです。(ブラームスも実は優れたメロディ・メーカーだと思うんですけど…それはまた別の話)

上記の逸話からもわかるように、チャイコフスキー交響曲は、革新的な試みや美しい旋律のスキマを「交響曲らしい交響曲を書きたい」という思いがみっちり満たしている作品なんです。

ザンデルリンクの演奏はそんなチャイコフスキーの思いを、ロシア訛りをうまく緩和した上で伝えてくれる、素晴らしいアプローチだなぁと思います。

他にも、シベリウスは4、7番が秀逸な演奏。無機質になりやすい4番も、中途半端な感動路線になりやすい7番も、「音楽的」なアプローチで見事にまとめています。

逆にうまくいっていないのが5番。弦楽器の粒が揃いきっていないのと、録音の柔らかさがアダとなり、シベリウス特有の細かいトレモロが不鮮明で、音楽の輪郭が見えないという結果に終わっています。

ブラームスは、敢えて評を書くこともないでしょう。

そもそも、ザンデルリンクという名前が挙がった時に一番最初に思い出すのはブラームスの録音である、という人が大多数だと思います。重厚すぎる、という人もいますが、チェリビダッケのようなこれでもかという大見得切った演奏では全くありません。

美しく流れる自然な音楽にいつもほっこりさせられます。

自分自身がここ2年ほど指揮の真似事をしているので、最近はCDを聴くときに、ついつい「どう振ったらこういう音楽になるか」を考えてしまいますが、その度に(当たり前ですが)高い壁を感じます。

自分自身がやっていることがいかに幼稚でいかに場当たりであるかということを痛感させられる、というか…。

長大な交響曲のひとつひとつのフレーズについてどう演奏するか、それを決めていくのは本当に大変なことで、それをオケに徹底させるのはもっと大変なんですが、ザンデルリンクはそれを本当に高いレベルでやってのけています。

オケを鳴らしたり、派手なテンポ設定をすることも、破綻なくまとめるのは大変なバランス感覚や掌握力がいると思いますが、なによりも少ないリハーサルの中で「音楽」をそろえることは本当に大変なことだと思います。

いやー、プレーヤーとしても、棒振り見習いとしても、こんな演奏が出来たらいいなあと切に思う次第でございました。

在室当番が暇すぎて吹奏楽の配置について考えてみた

突然ですが、問題です!
吹奏楽の演奏会があります!舞台図を書いてください!

…と言われて、あなたならどんな配置にしますか?
吹奏楽をやっていた人なら、ほとんど、「正解」は書けると思いますが、それにもいくつものパターンがあります。

たとえば、クラリネットはどう並びますか?
さっきの問題で、最前列をクラで囲ってしまって、左2列目にフルートがくる形をイメージした人は結構いると思います。でも、左側にクラリネット2列ないし3列で固まって座る形をイメージした人も、また結構いると思います。
サックスはどこでしょう?また、アルトが外ですか?バリトンが外ですか?
アルトクラはクラ3rdの隣?バスクラの隣?
ピッコロはフルートの中ですか?外ですか?

金管の配置は、なぜかあんまり変わりませんね。
最上段下手がトランペット、上手がトロンボーン、一段降りて、下手がホルン、上手がユーフォニアム。んで、舞台の上手がチューバ。
最上段に打楽器を持ってきた場合では、ホルンが平台打ってボックス組んだりして、微妙にバリエーションはあるようですが。
また、特定のパートの人数が極端に多いような場合、バランスを考慮してひな壇の上下を入れ替えることもあります。(僕が指揮してるバンドでも、人数の関係で去年のコンクールでホルンとトロンボーンを上段に、ラッパを下段にしました)

こうやって考えてみると、実に色んな並び方があり、厳密には決まっていないようです。でも、ある程度の共通理解があり、それに則っているというのが現状です。それぞれのバンドがそれぞれの編成や力量に合わせて、もしくは音楽的な考えに則って配置を考えているわけですね。

でも、実はこの並びは基本的にアメリカ式を踏襲したものであって、世界共通ではありません。

例えば、かの有名なパリ・ギャルドは、ソロクラ、フルート、ダブルリードがひな壇に乗ってたり、チューバもソロチューバパートがあって、トロンボーンの横にいます。ホルンは左側にひな壇を組んで、つまりは、オケのひな壇そのまんまです。
まああそこは特殊ではありますが…。
東欧のバンドになると、そもそも楽器自体がアメリカ式とはだいぶ違ってきて、フレンチホルンではなく、ロータリー式のEs管アルトホルン(イギリス式のテナーホルンではなく)やロータリー式のバリトン(イギリス式のバリトンではなく)を使用したり、トランペットがそもそもいなくて、全員ロータリー式のフリューゲルホルンを吹いてたり(イギ…もういいか)。
そうなると並びもやっぱりちょっと変わってきて、僕が見たことあるのは、ひな壇なしでぐるっと半円形に指揮者を取り囲むように座っている写真でした。

また、ドイツとかの吹奏楽団は、金管バンド風…つまり、コの字型に並ぶバンドもあります。
下手側にクラリネット、その後ろにトランペット、上手側にサックス、ファゴット、その後ろにトロンボーン、センターにフルート、オーボエ、2列目にホルン、ユーフォ、3列目にチューバ。パーカッションはそのさらに奥です。

で、実は、この金管バンド風、一回やってみたいんですよね(笑)
金管バンドを経験している人間からすると、あの並びには結構メリットがあって、何よりも、低音セクションの核になるチューバがパーカッションと近い。つまり、リズムセクションが安定しやすい。
また、内向きで並ぶのでお互いの音が聞こえやすい。
側板を利用して反響させることで、良い音に聞こえさせやすい。などなど。

吹奏楽でこの並びになることで、さらに、ホルンとチューバが近づくことで、裏打ちも安定しやすい。(サックスとは離れちゃいますけど)
また、普通の並びでは絶対ありえない、クラとトランペットが至近距離という状況になるわけで、これは曲によっては大きなメリットになり得ます。(逆にオケものとかでは分離が悪くデメリットになる危険性もある)
また、金管はベルを直接客席に向けるものというイメージがあるかもしれませんが(特にチューバやユーフォは本来一回反響させて良い音に聞こえさせる楽器です)ホルンがそうであるように、ベルを直接客席に向けないほうが、音色が響きを持っている風に聞こえます。N響なんかも、NHKホールでやるときにトロンボーンを斜め向けに配置したりしてますよね(あれはチューバがベル直接になるのでイマイチな気もしますが)
つまり、サウンドとしてはまろやかで混じった音色に聴かせやすい!

ほら、いいことずくめ…かというとそうでもなく、一番の問題は、ひな壇が打ちにくいこと(笑)
パーカッションを(鍵盤も)全部上に乗せるような段は、舞台さんに嫌がられます。平台くらいなら並べてくれると思いますけど。
それに、吹奏楽コンクールでこの並び方はできません。すでに配置されているひな壇の形では、この形は合わない。

じゃあどういう場所で使うかというと、野外はどうでしょう。もともと金管バンドは歩くパイプオルガンと言われるように、野外で演奏するのが始まりでした。
おそらく、野外でもアンサンブルが乱れないように考えた結果、この形になったのでは?
ま、野外だと反響板云々はまったく関係ない話ですけど(笑)

あとは、極端にデッドなホールでやらなくてはいけないときには、ベルを客席に向けない、というのが生きてくる可能性があります。ただ、そういうホールは大概、袖に分厚いカーテンがぶら下がっているので、直管がそれに全部吸われる危険性も…。
でも、客席と舞台がすごく近かったり、横長のホールで一階席の後ろの壁が近い場合、直接ベルを向けるよりよい印象を与えることも考えられます。

やっぱり、日本で現在の形が定着したのにはそれなりの理由があって、恐らくそれは吹奏楽コンクールなんですよね。
みんながお互いのバンドの並び方をみて、共通理解が出来ていくと同時に、搬入・搬出がスムーズな、ある程度同じような枠組みの中で並ぼうという意識が出来る。
だから、ヘンな並び方のバンドはどんどん淘汰されていって、今のようにみんなアメリカ式に並んでいる現状になったんでしょう。

でも、そもそも並び方というのはあくまで音楽を演奏するのに合理的であればなんでも良いわけで、現在の形はバランス的にも視覚的にも好ましいから定着したのは間違いないんですけど、遊びや冒険が許されないわけではないはずなんです。

どうですか、全国のスクールバンド指導者のみなさん、ひな壇打てない時、金管バンド風配置、試してみませんか?(笑)
…周りから何と言われようと、僕は責任取れませんけど(笑)

久々

お久しぶりです。奈良まで1時間電車に乗っていることに慣れっこになってしまったbeardです。

先の、8月13日(日)、全日本吹奏楽コンクール大阪府大会一般の部が開催され、僕が振らせてもらってる守口市青少年吹奏楽団は、去年に引き続きカラ金を受賞しました。
曲は、課題曲Ⅰと長生淳「波の穂」。

評価は、あと一つでオールA。悔しいなー。

今年は、運営でいろいろあり、実際に自由曲に取り掛かったのが6月の第三週。そっから、約2カ月、17回の合奏中、初めの8回くらいは課題曲はまったく合奏する余裕がなく、半分ほどのテンポで八分音符を鳴らして自由曲をやり続けました。なんとか通るようになったのは本番の3週前、カットが最終決定したのはなんと1週間前でした。

そんな超駆け足練習のなか、かろうじてカラ金までもっていけたのは、18~20歳くらいの若い衆ががんばってくれたのが大きいです。
うちのバンドは、個人レベルがあまり高くありません。歯に衣を着せずに言えば、大半がソークターヘです(笑)
でも、だからこそ学生の吹奏楽部のノリで練習ができる良さもあると思います。

長生淳の曲は、高校の頃からいつかやってみたいと願い続け、やっと機会を得ることができました。しかも、僕が一番前に立って取り組んでみたかった、波の穂。しかし、これがなかなか難物でした!(笑)
長生淳の曲の特徴の一つとして、曲のベースを金管で作り、木管が細かい連符で装飾するようなオーケストレーションが多いことが挙げられますが、波の穂はとくにそれが徹底していて、クラリネットやフルートにメロディーがほとんど出てこない!
さすがにスコアを見てたまげました。たまに被ってるパートがあっても、サックス以外はアルトクラ、ファゴットなどうちのバンドにない楽器ばかり。ほんとに金管の音だけでサウンドを作らないといけないんです。
しかも、和音はアッパー・トライアド風の作りが多く、低声が7音、9音を吹いている瞬間が相当あります。また、ポリコードで、ラッパとフルートと低声でひとつ、内声でひとつというような書き方もある。
すごくきらきらしたカッコイイ音がする反面、安定した音は出しにくいんです。
そのうえ、直管、ホルンのファーストは、無茶な音域とまでは言わずとも、吹き続けるのは体力的にかなりつらい音域が要求されます。

当然、最初に楽譜を配った時は「こんな曲できるんかいな」というリアクションでしたし、初音だしは僕のカウントだけが虚しく響くような状況でした(笑)

まーそれがなんとかなっちゃうのがアマチュアのいいとこですね。
最終的には、長生淳ワールドをみんなもちょっと好きになってくれたんじゃないかと勝手に思っています。木管のひとらは、もうしばらくはやりたくないと言うでしょうけど…。
みなさん、僕のわがままに付き合ってくださって本当にありがとうございました!

さて、これからはもうちょい基礎的な力をつけていくべく、いろいろ考えていきたいと思います。人生初、名曲・吹奏楽のための民話にも取り組む予定です。いっぺんやってみたかったんですよね、あれ(笑)

果実

軽い気管支炎と声帯に出来た小さな血瘤のため声が出ません。beardです。

さて、先日に引き続いてのベルリンネタ。

巷で話題の、佐渡氏がベルリンフィルを指揮した、という演奏会ですが、早くもCD化され、先週火曜(6/28)に発売と相成りました。
私も早速入手しまして、こないだの土曜日にCDプレーヤに乗せました。
いつものごとく、つまみ聞きして、iPodにほりこんで通勤中に…とか考えていたのですが。

ショスタコの5番、がっつり、50分通して聴いてしまいました(笑)

いや、これはマジですごい演奏です。
途中、オケが上手すぎて人間が演奏していると思えない箇所もあるくらい(笑)

MVPはフルートの貴公子パユ様と、バストロのチョイ悪親父、シュテファン・シュルツでしょうか。
フルートソロの多い曲ですが、とにかくその一つ一つがとても魅力的。うっとりさせてくれます。
まあやっぱり若干コンチェルト的ではあるのですが、それもまあいいかと思えるクオリティ。
バストロのほうは、もう、なんていうか、いかつい。
凶悪、的確、限界ギリギリの凄まじさでオケを支配せんばかりの存在感。ライヴならではのスリリングさに一役買っています。

音楽づくりとしては、全体的に「押し」の演奏。
一楽章なんかは、もう少し緩む箇所があってもいいのかなー、と思わないでもないんですが、緊張感の持続は見事です。逆に二楽章はわりときっちりした演奏。突っ込んでしまわないで少しタメをいれるなど、コントロールされたテンポ感がうかがえます。
三楽章は、ベルリンの弦セクをフルに生かした泣きの音楽に仕立てています。今まで、僕の中でこの楽章はショスタコらしい冷たいアダージョだと思っていたのですが、この演奏はいたってハートフル。こういうアプローチもいいですね。
そして、まあショス5って言ったら、金管の人間はどうしても四楽章が気になるわけなんですが、もうこれに関しては何も言うことはありません。
他の追随を許さないとはまさにこのこと。凄まじいです。

武満のほうはまだちゃんと聴けていないのですが、ショス5だけで3000円の価値あるCDなので、皆様も是非。

閑話。

個人的なことなのですが、実は僕が音大に行きたいと思ったきっかけは、佐渡×シエナなんですよね。
その辺は5年くらい前の日記に書いた気がするんですが、まあなんせ、震災復興10周年のイベントで佐渡裕指揮で母校とシエナが合同をするというえらいこっちゃな企画があり、翌日のアンコンで地区落ちし、上手くなりたい!と思ったわけです。

独特の飾らないキャラクター、見栄えのする指揮、そういったものに魅了され、当時高校生だった僕は、かなり熱心なサドラーでした。
あ、もちろんブラスの祭典1、2はサイン入りです(笑)
音楽を専門に勉強するようになってから、やたらアイドルめいた事務所のプロモーションの方向が気に食わなくてちょっと離れていましたが、やはり憧れの対象であることは間違いなく。この度、ベルリンフィル史上二人目の日本人指揮者に彼が選ばれたことは、掛け値なしにうれしいです。
そして、この演奏。きっと、この内容なら、次もあるでしょう。そのうち、グラモフォンから佐渡×ベルリンのバーンスタイン交響曲全集なんか出ないかな(笑)

その昔、佐渡裕は「日本人指揮者が海外でデカイ顔できるのは小澤征爾のおかげ」と言っていましたが、自分自身もそのキャリアに追いつこうとしていますね…。素晴らしいことです。

これからもがんばってください。応援しています。

ベルリンフィルというオーケストラ

自宅が、老朽化のため改装中です。これはチャンスとばかりに部屋の大規模な片づけをして、昨日も思い出の品々をばっさりデストロイしました。beardです。

さて、ひっさびさにまともな音楽ネタでも。

佐渡裕ベルリンフィルを振ったというニュースで、テレビでもいくつか特集番組をやっていたようですね。僕は見れてませんが…。
つい5、6年前に当時僕が通っていた某西宮の弱小高校に阪神大震災復興10年の企画で指導に来てくれたのがウソのようです。さらにビッグになった今もあの気取らないキャラなのが素敵です。

んで、番組を見て、mixi等で何人か「ベルリンフィルすごい」というような内容のつぶやきをしていましたが、僕としては、佐渡さまとは全然関係ないネタとしてタイムリーなハナシでした。

と言うのも、先月くらいから、僕の中で空前のベルリンフィルブームが来ているのです!!
ちなみに、主にラトル就任前の、ですけどね(笑)

きっかけは、5月頭くらいに、iPodに一枚のCDを取り込んだことでした。
ソニークラシカル、アバド指揮ベルリンフィルベートーヴェン交響曲第9番のCD。96年にザルツブルグイースター音楽祭で演奏した際のスタジオ録音で、来日に先立って国内盤が先行発売という、いわば話題性で売ってしまおうというレーベルの思惑ミエミエの、10年たったらあまり顧みられないタイプのCDです。
たぶん、僕と同世代でこのCDを持っている人は少数だと思います。僕も、中学時代、クラシックを聴き始めたばっかりの頃、「世間で有名な『だいく』とやらを聞いてみるか」と思って近所のCD屋で適当に買ったCDでした。クラシック初心者にとって、この作品は4楽章以外はやや晦渋で、そしてちょっと長く、そんなに何度も聞かなかったと思います。
その後、クライバー指揮ウィーンフィルの5、7番に出会い、ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンの全集を買い、ケーゲル指揮ドレスデンフィルの(中略)して、まあなんせ埋もれてて忘れてたCDだったんです。

んで、iPodに片っ端からCDを入れている中で、このCDに行き当たり、そういえばこんなCD持ってたなー、とかけてみたわけです。
奇しくも、大学4年のときこの曲の合唱に参加した私は、スコアが多少なりと頭に入っています。その演奏でウソがあるかどうかくらいはすぐわかるくらいには、曲を覚えています。
だからこそ、この演奏のすごさがすぐにわかりました。

あまりにも、上手すぎる!!!!

音楽としては、カラヤン時代の迫ってくるような「押し」の音楽とは対照的で、むしろリラックスした、「うた」の演奏。やっぱりアバドって、イタリア人なんですよね。シカゴとか振ってるときはトンガったイメージがありますが…ここではその片鱗も見せず、「流麗な」という言葉が似合うような演奏です。ソニーの、残響を多く含む録音のせいもあるかもしれません。良くも悪くも角が丸く聞こえ、ベートーヴェンとしてはちょっと物足りなくも感じます。だから、たぶん普通のクラシックファンにはあまりピンとこない演奏かもしれません。あ、でも歌手陣も豪華で、ちょっとブリン・ターフェルバリトンソロはアクが強めですが、僕は大好きです。

ですが、紛いなりにも専門的に音楽をやってきた人間としては、なによりもオーケストラの上手さに耳を奪われます。わかりやすいところで言えば、4楽章、頭のほうでチェロとベースのユニゾンで奏でられるレチタティーヴォや、同じくチェロベで歓喜の主題が初めて完全な形で演奏されるあそこ。
なんて音程がはっきりしているんでしょう!それでいて極めてなめらかなフレージングで、音量バランスも完璧。そして、やわらかく美しい音色…。すごすぎる。
また、行進曲のあと、弦楽器を中心としたフーガになった箇所!各パートがこれ以上ないくらいに独立して聞こえているのに、縦の線は僅かな乱れもない。そして、通常細かいフレーズのときに痩せてしまいやすい響きのなんと分厚いこと!

そういうオーケストラの技量の素晴らしさに感動しているうちに、あっという間に66分が過ぎ(笑)最後まで聴き通してしまいました。
それからはやひと月、このCD3回くらい聴きました。いやぁ、9番ってほんと傑作ですよね。そして、僕はすっかりベルリンフィルのとりこになってしまったのでした。

先日もタワレコで、ぎょうさんCD買いましたが、カラヤン×ベルリンのチャイコボックスとか、マゼール×ベルリンのブル7、8とか、バーンスタイン×ベルリンのマラ9(割れ物で持ってましたがちゃんと買いました(笑))とか、アバド×ベルリンの3番と夜の歌を含むマーラー色んな人全集とか、とにかくベルリンばっかりのチョイスでした。
(ちなみに、僕がマーラー色んな人全集と呼んでいるのは、マーラー・ピープルズ・エディションという名の、デッカとグラモフォンで評価の高い演奏ばかりを集めたユニークな全集で、例えばクーベリック×バイエルンの巨人、メータ×ウィーンフィルの復活というような感じでそれぞれコンビが違います。)
まだ全部聞けてませんが、とにかくオーケストラの「上手さ」に酔いしれるべく、端から聞いていきたいと思います。

閑話休題

僕は、中高生のころ、ろくに聴いたこともないくせに「自称アンチ・カラヤン」でした。理由はいくつかありますが、カラヤン指揮ベルリンフィルというのはめちゃくちゃ有名なコンビのわりに、ネットで調べる「この曲ならこのCDを聴け」的なレビューには、あまりこのコンビの名前を目にしなかったことが一番の理由です。勝手に、平均的にクオリティの高い演奏はしたが突き抜けた演奏はないんだろう、とか勘違いしていたのでした。
いやはや、お恥ずかしい。もちろんそれは様々な録音を聞くうちにとんだ間違いであることを痛感するのですが、そこで感じたのが、今のベルリンフィルとのギャップでした。
カラヤン時代のベルリンフィルは、もちろん曲や年代にもよりますが、張り裂けんばかりのエネルギーと、抒情性、それと曲に対する深い理解が特長であったと僕は感じています。もちろん、今のベルリンだってえげつないパワーを内包しているのですが、鋼鉄の軍隊はいつしか(良くも悪くも)オーダースーツを着たエリート・サラリーマンになってしまったような、そんな印象があります。楽譜を再現するクオリティという意味で言えば、はっきり言って今のほうが巧いでしょう。
よく、「カラヤンは完璧な演奏を云々」という評を目にしますが、僕にとって、カラヤン×ベルリンは完璧さを求めて聞く演奏ではまっったくありません。
むしろ、精密さより、音楽のもつ色やエネルギーをこれでもかとばかりに濃厚に表現することにベクトルが向いていると感じます。
だってかなり縱のあっていない演奏もあるじゃないですか(笑)
当時のベルリンフィル最大の特徴、「セクション単位でずれていく」という、アンサンブルがすごいのかどうなのかという演奏をたまに耳にしますし、歌いまくるソロと、正確にテンポを刻む伴奏が分解スレスレまで離れているものだってあったりします。

それに対して、カラヤン亡き後、アバドが音楽監督に就任すると、まず何が変わったか。僕は、まず拍節感だと思いますが、それも含めて、「スタイルの喪失とインターナショナルスタンダードの確立」と言えそうです。

スタイル、とカタカナで書くと、ちょっと誤解されそうですね。様式、と漢字で書いたほうがよさそうです。カラヤンのころのベルリンフィルは、スーパーワールドオーケストラであると同時に、間違いなくドイツ語圏のオーケストラでした。ですが、アバド時代を経てメンバーも入れ替わり、ラトルが継いだ頃、ベルリンフィルは、パユ様が笛を吹き、バボラックがホルンを吹く、凄く上手いけどなんだかよくわからないオーケストラに変わっていました。ま、バボラックは今は辞めちゃいましたが…。ラッパ吹きの2大スター、ヴァレンツァイとタルケヴィは2人ともハンガリー人。まだドイツらしいのはトロンボーン、チューバくらいでしょうか。(それにしても、金管のメンバーは、カラヤン時代と比べるべくもないくらいハイレベルになりました。ザイフェルトくらいでしょうか、今のメンバーのレベルで演奏していたのは。でも、ちょっとしたアタックや、バランスで「おや?」と思うことも増えました。)

僕は本当に一番ベルリンフィルが「優れたオーケストラ」だったのはカラヤン死後、アバド就任しばらくの、91~00年くらいだと思います。あくまで僕の勝手な好みですが。

アバドがよかった、というより、ガッチガチのカラヤン流から解き放たれた時代、リラックスして己の能力を発揮できた時代だったんでしょう。でもその結果、もしくは、単なる時代の流れなのかもしれませんが、ベルリンフィルは、ドイツ語圏のオーケストラであることを辞めてしまったように思えてなりません。

だから、ラトル就任後、積極的にリリースしているディスクも、買ったのはたった一枚、ホルストの惑星だけ。それも、金星と、天王星しか聴きません。いや、めちゃくちゃ巧いですよ。火星の最後の連符なんか、ロスフィルは土下座しないといけないぐらいちゃんと弾けてます。でも僕はメータ×ロスフィルを聴きます。だって、面白くないんだもん。金星は音色の美しさ、天王星はオケの機能性が存分に発揮されていて、いいな、と思いますが…。

逆に、ジルヴェスターコンサートなんかは録画を結構何回も見ました。ボロディンの2番とか、だったん人はああいう「とりあえずこれ聴いとけば無難」という演奏に恵まれていないと思うので、貴重では?次の年もキューバ序曲は好演でしたね。

ああやって、さくっと演奏されると、上手さが引き立つのですが…。

 

立ち返って、カラヤンの時代の録音群を考えるにつけ、良くも悪くも「濃い」演奏ばかりです。ちょっとしんどいくらい(笑)今でもカラヤンの録音は手放しで好きと言い切れないですが、ツァラトゥストラとか、マラ6とか、僕の中でベストだと思っている録音も多々あります。

対して、はるかに「巧い」今、ラトルは誰かにとってベストになりうる録音を残しているのかなぁ。楽器をやっている人間として、ベルリンフィルという最高のオーケストラが、イマイチ面白みのない演奏をしているのが悲しいんですよね。

その点で、アバド時代は、ちょうどその過渡期にあたる、巧さと音楽的濃さのバランスのとれた録音がチラホラあるよ、っていう話でした。アバド時代も決して全面肯定はしませんが、僕にとってはラトルより大分ましかなぁ。どうせなら、ユダヤ系ロシア人でドイツ生まれ、フランスで教育を受け活動のほとんどをイギリスでやっているプレヴィンとかにベルリンフィルを任せて欲しかった。彼なら、恐らく最高の技術を持つオケを用いて最高に中庸で極めて良質な音楽を作ってくれたと思うんですけど。僕の、ポスト・カラヤンベルリンフィルに求める「とにかくめちゃくちゃ『上手い』演奏」という需要に応えてくれただろうなぁ。

 

ま、でもラトルもバーミンガム市響時代はちょいちょい面白い演奏してたし、諦めないで何枚か買って聴いてみます。もしかしたら意外なところでいい演奏が転がっているかもしれないし。

それに、どんなに面白くなくても、間違いなく巧いしね(笑)

※巧いと上手いはかなり意識的に使い分けていますので気にしてみて下さい。

 

2017.2.18追記

 

いやはや、これ書いたの何年前だったかしら。たぶん5年前くらいだったと思いますが、今となってはまったく違う耳になってしまった。

むろん今でもアバド時代好きですよ。でも、いまはラトル信奉者になっています(笑)

自主レーベルのブルーレイ付きCDはだいたい買っています。EMI時代のブラームスとかもあるし、むしろバーミンガム市響時代の「リーヴィング・ホーム」まで買ってしまいました。

なんていうのでしょう、演奏家に対する信頼?ラトル就任後のスタイルがインターナショナルなものであり、ベルリンフィルはドイツのオーケストラでなくなった、という感想は今も持っていますが、それ以上に、演奏家それぞれの表現、アンサンブルの集合体がオーケストラなのだ、ということを心の底から感じ取ることができるのです。

次なるシェフ、ペトレンコも素晴らしい指揮者だと思うので、これからの活動もベルリンフィルファンとして楽しみにしております。そしていつかはベルリンまで訪れ、本拠地で実演を聞いてみたいなあ。

イヤホンをめぐる冒険

六月はボーナスの月です。(挨拶)
最近金遣いが荒くなってきています。beardです。


さて、前回の日記に書いているとおり、現在私は西宮から奈良まで片道約1時間40分かけて毎日通勤しています。
うち30分ほどは歩いたりチャリ乗ったりしていますが、それでも1時間以上の時間、電車の中にいるわけです。本読めます。こないだも古本屋で一気に15冊くらい文庫本を買ってきました。今はヘミングウェイの「老人と海」を読んでいます。渋いぜサンチャゴ。

で、もちろん僕はいつもポケットにiPodもつっこんでいます。基本的に本読んでいるときは音楽は聞きませんが、ちょっと疲れているときなど、字を読むという能動的な行動がしんどいときは音楽を聞きます。
でも、電車の中で音楽を聴くという行為は、実は僕にとってストレスフルなものでした。
周囲の騒音が大きいため、必然的に音量を上げねばならず、クラシックなどのダイナミクスレンジの広い音楽を聴くと、ピアノは聞こえないしフォルテは耳が千切れそうになるという悲しい思いをします。
なので、どちらかというとポップスやジャズを聴くことが多いんですが、やっぱり心情としては、Amazonから届いたばかり、昨日の晩にiTunesに取り込んだクラシックのCDを聴きたいわけですよ(笑)

しかも、仕事しながら楽器も練習しようという生活を送っていると、せっかく防音室に鎮座ましましているINFINITYのスピーカーも、marantzのアンプやプレーヤも活躍する機会はあまりなく、どうしても車の運転中か電車の中でしか音楽を聴かない状況になってきています。それならやはり、この通勤時間になんとかクラシックを快適に聞けるようにならんものか。

いろいろ考えた結果、ちょいとイヤホンを買い替えることにしました。最初は、ノイズキャンセリングイヤホンにしようかとも思いましたが、値段は高い、音質は微妙とのうわさ、電池が必要だし、流行のカナル型にくらべ選択肢も狭いので、やめておきました。発想としては画期的だと思うんですけどね。音という粗密波のエネルギーに逆位相の波をぶつけることで消音する…、まさに21世紀って感じじゃないですか?(笑)
でも、まあ、ハイテクがいいとは限らないのが世の常、周りの音が聞こえないように耳の奥までイヤホン突っ込んじまえという極めて原始的な発想のほうが、無理がなくて良いんでしょう。結局僕もカナル型にしました。

どのメーカーにしようかなーとネットでいろいろ調べても、なんせ音に関してはどうしても主観的なレポしか存在し得ないので…最終的には聞いてみんとわからんわけです。そこで、高校時代の先輩でヨドバシのイヤホン・ヘッドホンコーナーで働いた経験をもつT氏に相談してみました。
んで、おすすめも教えてもらいつつ、日本橋に、展示品は全機種視聴可(!)のe‐イヤホンという専門店があることを教えてもらいました。さすがでんでんタウン、俺たちにできないことをあっさりとやってのける!そこ(ry

で、早速、昨日早めに帰れたので、e-イヤホン行ってきましたよ(笑)なんせ毎日通る路線ですから。

巷で人気の高いShureは一瞬で候補から落ちました。音が軽くて、クラシックにはまったく向かない。Jポップなどの、コンプレッサかけまくって音圧を稼いでいる音楽だと耳触りがいいのかもしれませんが…。
かなり色々なメーカーのものを聞きましたが、クラシック聞く層の好みはやっぱり似てるようで、T先輩イチオシのKlipschやSENNHEISERは確かに好みでした。
Klipsch Image X10とSENNHEISER IE8の実売3万円弱あたりで悩んだ結果、浮気してWestoneの同じくらいの価格帯のものにしました。
クリプシュは解像度が高くていいんですが、いまいちインパクトに欠ける印象で、ゼンハイザーは逆に中低域の太さと高音の綺麗さでドーンとくるんですが、イヤホンに無理して低域を出させた結果か、モコモコした印象が拭えない感じで…。もちろん、モデルにもよるんですけどね。

その点、Westone UM2RCはすっごいフラットなイヤホンで、無理がない感じ、解像度に寄りすぎでもなく、迫力に片寄り過ぎでもなく、聞いた瞬間、あ、そうそう、僕がイヤホンに求めるのってこういう感じやねん、っていう印象を受けました。

ちょうど閉店時間だったのもあって、勢いで買って帰ってきてしまいました(笑)

早速帰りの電車で着用しましたが、イヤーピースが耳栓に使用されている素材で、遮音性がすごい!これなら電車でも普通に音楽が聞けてしまいます。他にもたくさんのスペアピースが付属していて、それぞれ特性があるようなので、これから試してみます。

ただ、周囲の音がなんにも聞こえない(スペックでは25db以下をシャットアウトできるそうです)ので、歩きながら使うのは無理ですね…。危険すぎます(笑)

通勤時間の楽しみ充実計画、見事成功です。
っていうか最近充実させすぎて逆に通勤時間が足りない(爆)朝、座れたらついつい寝ちゃうしね。
そんなこんなで、明日も頑張って働きまーす。